研究分担者 |
酒井 正春 北海道大学, 医学部, 助教授 (50162269)
高橋 俊雄 京都府立医科大学, 教授 (50079828)
谷口 直之 大阪大学, 医学部, 教授 (90002188)
武田 和久 岡山大学, 医学部, 教授 (50033080)
小路 敏彦 長崎大学, 保健管理センター, 教授 (20039811)
|
研究概要 |
AFP:AFP糖鎖の微細な構造を明らかにした。また糖鎖の癌性変化を明らかにすると共にその検出法を開発した。多数の臨床例を検討し,肝硬変から肝癌発生時に画像診断など他の方法によりより早期に診断可能である事を明らかにした。AFPの生物学的機能と密接に関連すると思われる不飽和脂肪酸結合部位,エストロゲン結合部位の分子構造をタンパク質化学ならびにタンパク質工学の手法で明らかにした。ヒトAFPを産生し続けるトランスジェニックマウスを作製した。その発生,生長などに異常は認めなかったが実験的関節炎の発生を抑制しAFPの免疫抑制能によると思われた。GnT-III,V:細胞表面の糖鎖の癌性変化に関わるとされるN-アセチルグルコサミン転移酵素III及びVのcDNAをクローンし,その構造を明らかにすると共にプローブとして用いその発現を検討したがマウスメラノーマ細胞ではサイトカイン特にTGF-βで誘導が認められた。またこれらを発現する変異細胞での検討で転移能とその発現に負の相関を認めた。抗体による制癌:ヒト大腸癌抗原に対する抗体(A7)とネオカルチノスタチンの複合体を用い実験的,臨床的に研究を進め,有望な結果を得てきた。本年はヒト型キメラ抗体を用いる複合体を作製し,それを臨床に用いるためのPhase I研究を開始した。7例の検討では重篤な毒性は認めていない。CEA:CEA及びその類縁抗原の分子構造をさらに研究した。これらに対して作製された数十種のモノクロナル抗体とCHO細胞で発現させたCEA,NCAおよびその各ドメインとの反応性より,くり返し構造,立体構造の遠近,コンフォメーション依存性など生物学的活性の検討に重要な情報が得られた。ムチン抗原:ムチンコアタンパクMUCIを動物培養細胞に導入しその機能を検討したが抗細胞接着作用,抗細胞増殖作用を認めた。リポソーム:ミサイル療法で抗体の代りに多糖被覆リポソームが用いられるか検討し正常肝細胞に比し肝癌細胞に高い集積性を示した。
|