研究課題/領域番号 |
05151009
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
坂本 澄彦 東北大学, 医学部, 教授 (20014029)
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研究分担者 |
晴山 雅人 札幌医科大学, 助教授 (10173098)
大川 智彦 東京女子医科大学, 教授 (80085604)
堀内 淳一 日本医科大学, 教授 (90013870)
澁谷 均 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (10014292)
細川 真澄男 北海道大学, 癌研究所, 教授 (20001901)
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キーワード | 低線量全身照射 / 悪性リンパ腫 / BRM / 免疫反応 |
研究概要 |
本研究は基礎的研究と臨床的研究より構成されている。先ず、基礎的研究ではすでに過去数年間に亘る研究に依ってマウスを使った動物実験では10ラド又は15ラドの全身照射がその動物の腫瘍免疫を高めることが証明されてきた。この効果は更にBRMとの併用に依って高める事が出来るか否かを調べる事が1つの目標であった。BRMとして、ベスタチン、OK-432が用いられた。これらのBRM剤はマウスの種類と腫瘍型が異なると全身照射に効果の程度は少しずつ異なり、又BRMの量と投与と照射の時間的間隔によっても効果に差がでる事が確かめられたが、いずれの場合でもBRMとの併用は全身照射の効果を増強する事がわかった。その他に、全身照射の効果にたいする制癌剤の修飾の関する研究、放射線による癌細胞に於ける腫瘍関連抗原への影響に関する研究などが行われた。臨床研究では昨年に引続き悪性リンパ腫に対する効果の検討を続けると共に、縦隔腫瘍、肺癌、食道癌、乳癌、子宮頸癌などについて全身照射と局所照射の併用効果に就いて検討された。その結果、非ホジキンリンパ腫に対しては低線量全身照射療法は、新鮮症例に就いてはアジュバント療法として有望である事がさらに確実になったと、結論された。しかし、再発例で、過去に強力な癌化学療法が施行された例や、非常に高年齢の患者に対する効果は期待できない。これは、強力な化学療法や高年齢のため免疫反応をするためのリセプターが破壊されているためではないか、と考えられる。固形腫瘍に対する有効性は観察期間が十分でないため結論出来ないが、末梢リンパ球機能別サブセットの変化からの推定では局所制御率の向上、転移抑制に有効であろうと推定されている。
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