研究課題/領域番号 |
05151040
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
菊池 晴彦 京都大学, 医学部, 教授 (20072746)
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研究分担者 |
市橋 正光 神戸大学, 医学部, 教授 (00030867)
神田 啓治 原子炉実験所, 助教授 (10027419)
山本 嘉則 東北大学, 理学部, 教授 (60029519)
高垣 政雄 原子炉実験所, 助手
織田 祥史 京都大学, 医学部, 助教授 (10026958)
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キーワード | 悪性脳腫瘍 / 硼素中性子捕捉療法 / 次世代硼素化合物 / ガドリニウム中性子捕捉反応 / 脳の放射線障害と耐性 / 重水 / 1-p BPA / 悪性黒色腫 |
研究概要 |
平成5年までに14例の悪性脳腫瘍患者に対し本療法を施行し、現在8名が生存しており、最長は2年を越えた。ホウ素化合物(BSH)のヒト脳腫瘍内濃度を検討しBNCT治療計画を再検討して深部腫瘍吸収線量を増加した結果、特に最近実施した5例については比較的良好な治療効果を認めている。一方、基礎研究に於ては、選択的脳腫瘍指向性と集積性を目指し種々のホウ素化合物を合成し、それらのBNCT効果を培養細胞系及び脳腫瘍担癌ラットなどで検討した。取り分けホウ素化アミノ酸の一つであるpBPAの誘導ペプタイドを合成し実験的BNCT効果を検討したところ、培養細胞系ではpBPAに比して約3倍の殺細胞効果を認め、一方脳腫瘍担癌ラットでも高いT/B比(約8)を認めた。今後ホウ素原子の濃縮化を図り投与量を低減化することにより臨床への応用が十分期待される。さらに平成4年度に引き続き核酸代謝に親和性を有するカルボラニルウリジン及びアミノ酸代謝に親和性を有するpBPAの腫瘍指向性と毒性の低減化を目指し種々の水酸化誘導体を合成し実験的BNCT効果を検討したが、水酸化により脳腫瘍への取り込みが変化しないことが明らかにされた。その他アミノ酸誘導体、Gd-B複合体など種々のホウ素化合物を研究班のみならず、国際研究協力の下に合成研究を展開している。炉物理面ではHyper-themalneutron mixed fieldの概念と理論を発表し現在実証実験を行っている。これにより熱中性子の組織透過性が増し治療効果の向上が期待される。正常脳組織の放射線耐用線量についてはラット脳について明らかにされた。これら研究成果は第5回原子力先端研究国際シンポジウム(1993,3水戸)、放射線腫瘍学国際会議(1993,6京都)、第3回アミノ酸国際会議(1993,8ウィーン)等において発表された。
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