研究課題/領域番号 |
05151065
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研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
北川 知行 財団法人癌研究會, 癌研究所, 所長 (50085619)
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研究分担者 |
白井 智之 名市立大, 医, 助教授 (60080066)
森脇 和郎 国立遺伝学研, 教授 (50000229)
牛島 俊和 国立がんセ, 研, 研究員 (90232818)
木南 凌 新潟大, 医, 教授 (40133615)
小川 勝洋 旭川医大, 教授 (50045514)
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キーワード | carcinogenesis / mouse / oncogene / suppressor / LOH |
研究概要 |
今年度はマウスの肺がんのLOH分析において非常に興味深い成績が得られた。即ち、北川は、DENによりC3H-MSMのF_1に誘導した肝がんから多数の培養系を作り、多数のマイクロサテライトプローブを用いて調べたところ、第7染色体のIFN_<alpha>に近接したlucusにのみ高率(100%)にLOHがあり、その他の染色体ではほとんどないことがわかった。また小川は、C3Hマウスの肝細胞を培養することを通じ、4系の不死化細胞株を樹立し、その染色体分析を行ったところ、その全てに第4染色体の欠損があることを見出した。第4染色体の問題のlucusはヒト9qにsyntenyを持った領域であるが、この部分には従来特別ながん抑制遺伝子の存在は知られておらず、新しいがん関連遺伝子の発見に連がある可能性がある。また、北川らの解析した肝がんでは、H-rasの活性化や第7染色体の量的変動が全く見出されず、マウスの皮膚がんと肝発がんはかなり発生機構が異なることが示唆された。他方、木南は、ラットの線維芽細胞肉腫の系で、LOHや染色体変異がほとんど出現しない中で、telomereでの突然変異の出現率が高く、しかも増殖性の充進に関与していることを見出している。また堤は、ラットの骨肉種の系でnm23とH-rasの発現が高転移性と関連している事実を見出した。
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