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1993 年度 実績報告書

ヒトbcl-2がん遺伝子の生理機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 05152070
研究機関大阪大学

研究代表者

辻本 賀英  大阪大学, 医学部, 教授 (70132735)

研究分担者 鎌田 真司  大阪大学, 医学部, 助手 (20243214)
恵口 豊  大阪大学, 医学部, 助手 (20243206)
キーワードbcl-2遺伝子 / アポトーシス / プログラム細胞死 / リンパ腫
研究概要

bcl-2がん遺伝子は、他のがん遺伝子とは異なり細胞死(アポトーシス)を抑制する活性を示し、がん遺伝子の中でもユニークな存在になっている。この研究課題の目的は、分子生物学的および細胞工学的手法を駆使しbcl-2の機能を統合的に理解することである。
bcl-2たんぱくの細胞内局在を細胞分画法と免疫電顕法により検討しbcl-2は核外膜、小胞体膜とミトコンドリア外膜に存在することを示し、bcl-2のミトコンドリア内膜局在説を否定した。
bcl-2の構造と機能の関係を明らかにするために系統的な欠失変異bcl-2を作製し細胞内局在と細胞死抑制活性の検討を行った。その結果、C末の約50アミノ酸領域が膜局在に必須であることが明らかになった。膜局在を失ったbcl-2たんぱくはアポトーシス抑制活性を示さず、膜局在がbcl-2の活性の発現に重要であることを強く示唆している。
抗bcl-2抗体を用いてbcl-2結合たんぱくの同定を行なった。バキュロウイルスの発現系より得られたbcl-2たんぱくをプローブとしヒトcDNAライブラリーから同一の未知遺伝子を含む2クローンを得た。遺伝子産物の機能は現在検討中である。
bcl-2欠損マウスの作成に成功した。bcl-2-/-マウスは正常に生まれるが、生後10日目あたりから成育不全が顕著になる。bcl-2-/-マウスにおいて個体差はあるが次のような異常がみられた。(1)耳が小さい(2)polycystic kidney(3)リンパ球のアポトーシスによる胸腺および脾臓のアトロフィ(4)小腸の発育不全(5)毛の白色化などである。これら全ての異常がbcl-2欠損による細胞死の促進であるかいなかは今後の研究に待たねばならない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] N.Itoh: "Effect of bcl-2 on Fas antigen-mediated cell death" J.Immunol.151. 621-627 (1993)

  • [文献書誌] M.Dubois-Dauphin: "Motoneurons overexpressing the bcl-2 protooncogene do not degenerate after axotomy in newborn transgenics" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. (in press). (1994)

  • [文献書誌] N.Ikegaki: "High levels of the bcl-2 expression in small cell lung carcinoma" Cancer Res.(in press). (1994)

  • [文献書誌] Y.Akao: "Multiple subcellular localization of bcl-2:Detection in nuclear outer membrane,endoplasmic reticulum membrane and mitochon-" Cancer Res.(in press). (1994)

  • [文献書誌] Y.Tsujimoto: "Human B-cell neoplasia with the t(11;14)(q13;q32)and t(14;18)(q21;q32)chromosome translocations." The causes and consequences of chromosomal aborrations. 333-350 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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