研究課題/領域番号 |
05201103
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久米 均 東京大学, 工学部, 教授 (10011222)
|
研究分担者 |
棟近 雅彦 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (10200247)
中條 武志 中央大学, 理工学部, 助教授 (40198106)
鈴木 和幸 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (00130071)
飯塚 悦功 東京大学, 工学部, 助教授 (50017448)
宮村 鐵夫 中央大学, 理工学部, 教授 (20106892)
|
キーワード | ソフトウェア / 品質保証 / 品質技術 / 設計方法論 / ソフトウェア・テスト / 要求分析 / 品質評価 / 信頼性保証 |
研究概要 |
本年度は、研究テーマとして取り上げた、(1)ソフトウェア品質保証システム、(2)設計の方法論、(3)テストの方法論、(4)製品品質評価、(5)信頼性計量のうち、(1)〜(3)に取り組んだ。 研究の効率的遂行のために導入したLANを活用し、基礎的データとして収集したソフトウェア不具合事例の共有と分析・考察に関する意見交換を活発に行った。また年度半ばに、研究の中間成果を基にソフトウェア工学分野の識者・実務家に参加を要請して、ソフトウェアにおける最重要課題である「要求分析」に関するシンポジウムを開催した。 シンポジウムでは、要求分析における「顧客の要求表明に関わる問題」の構造を提示し、またこの問題を克服するための既存の分析手法の適用可能性について考察し、参加者から有意義な意見を得た。参加者との議論によって、顧客と開発者の間のコミュニケーション・ギャップという要求分析の本質的問題の解決に関して2つのヒントが得られた。第一は「データ」中心のアプローチを採用し、データの「型」「固有の操作」「固有の制約」をカプセル化すること、第二は「domain specific(領域固有)」という考え方を再吟味し、適用分野の適切な切り口を発見することの重要さである。 ソフトウェアには「要求と実現手段の関係の希薄さ」という、設計にあたっての根元的難しさがある。この2つのアプローチのいずれもが、「要求」を「実現手段」に近づけた形で理解することによって、その非線形性を軽減しようという考え方に基礎を置くものであり、今後もその可能性を追求して行く。
|