研究課題
近年、各国統計は、国境線を安定した区切りとして見ることが難しくなってきているため、統計そのものが安定した形で作成しにくくなってきている。例えば東欧圏の崩壊からソビエト連邦の崩壊に見るように、国の形が不安定になったり、ECのように国が合同するといった状態である。今まで各国が伝統的手法によって作成してきた各種統計特に、人口統計、収穫統計、国際貿易統計を検討し、何が伝統的な方法によらないでも作成可能か、何が作成不可能かを検討した。特にこの検討作業では、日本と、島国で島のなかで民族紛争をかかえていて、統計調査の状況が明らかなスリランカを例にとり、各統計作成機関等の専門家から伝統的な作成方法等についてヒヤリングも行った。またこれら一連の統計作成方法の検討とは別に、現在利用可能なランドサットや資源探査衛星のマルチバンドの画像から、日本の1993年の米の収穫予想統計との比較検討実験を行った。この比較実験を通して、工学分野で既に行われているランドサット等の画像情報の処理方法について調査・実験を行い、統計数値を作成するのに最適な手法について検討した。これらの比較検討を通して、推計方法上の問題点およびその解決方法について検討した。