助産所で分娩を希望した1107人のロウリスクの女性と、病院での分娩を希望した1320人のロウリスクの女性の妊娠中から出産後6日目までの結果を比較した。その結果、周産期死亡率を初めとしてすべての項目で助産所のグループの方が良い結果がでた。項目ごとの数値は最初の方が助産所で、2番目の方が病院である。周産期死亡率(1.8、3.8)、帝王切開(1.17%、6.97%)、早産(2.2%、4.3%)、低体重(3.9%、5.8%)、弛緩出血(4.3%、16%)、児の異常(4.16%、8.9%)。助産所は正常な出産のみを扱い、異常なケースを病院へ転送するのであるが、今回の調査で妊娠中に異常がでて病院へ転医となった率は2.89%であり、分娩中に搬送された率は2.72%、また分娩後児が病院へ搬送された率は3.2%であった。妊娠中異常と診断されて転送になった女性の内53%は自然に出産し、28%は帝王切開になっている。それに対して分娩中に搬送された女性は70%が自然に生まれ、13%が帝王切開になった。また児の異常に関しては、妊娠中転送された女性の内68.8%は児に異常がなかったのに対し、分娩中に転送になった人たちでは90%の児に異常がなく、さらに分娩を助産所で終了した場合、96.8%の児に異常がなかった。このようなことから、助産所では妊娠中に正常と異常の見極めを的確に行い、正常産のみを扱うように心がけていることが分かる。また2件の周産期死亡も、妊娠中に異常と判断されて病院へ転送されたケースの中で生じており、このような結果からロウリスクの妊娠に関しては、助産所は病院と比べても安全な出産場所であるといえる。助産所が病院より良い結果がでた理由としては、助産婦によるケアの継続性、出産を急がせないこと、自由な分娩姿勢をあげることができよう。
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