研究課題/領域番号 |
05201206
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
今野 浩 東京工業大学, 工学部・人文社会群, 教授 (10015969)
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研究分担者 |
THACK Phan T 東京工業大学, 工学部・人文社会群, 助手 (10242299)
中川 淳司 東京工業大学, 工学部・人文社会群, 助教授 (20183080)
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キーワード | アルゴリズム特許 / ソフトウェア特許 / カーマーカー特許 / 線形計画法 / 内点法 / 異議申立て |
研究概要 |
本年度は、過去2年間にわたって実施してきた、カーマーカー特許及びソフトウェア/アルゴリズム特許に関する調査・分析結果を、オペレーションズ・リサーチ誌(日本オペレーションズ・リサーチ学会の機関誌)に5回に渡って報告し、アルゴリズム/ソフトウェア関係の研究者と実務家達に対して、この問題に関する意識改革を呼びかけた。 また、1993年9月に、特許庁がカーマーカー特許を広告したことを受けて、この特許が新規性の点で問題があるとの判断のもとに、異議申立てを行なった。その主要な論点は、(1)公告されたアルゴリズムに致命的な誤りがあること、(2)ここで請求されているアルゴリズムは、既に1960年代に公知のものとなっていたこと、である。もし我々が異議申立てを行なわなければ、このような新規性のない“発明"が特許となって、多年にわたって害を流し続けることになるとの判断した次第である。 さて、ソフトウェア/アルゴリズム保護の問題について、日米の法律家と技術者の協同作業が必要である旨を強調した上記の報告は、意外なことに米国の法律家達の注目するところとなった。そして、1993年末以来、今野と中川及びR.Stern氏が中心となって、日米の法律家と技術者による国際会議の開催準備が進められている。この会議は1995年3月に日本オペレーションズ・リサーチ学会が、ジョージ・ワシントン大学と東京工業大学の後援の下に行われる予定となっており、はじめての試みとして関係者の関心を集めるものと予想される。
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