研究課題/領域番号 |
05202204
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
江副 智子 大阪大学, 医学部, 助手 (40232954)
|
研究分担者 |
丸山 総一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (70219567)
竹下 達也 大阪大学, 医学部, 助教授 (20150310)
森本 兼曩 大阪大学, 医学部, 教授 (20143414)
|
キーワード | 人格傾向 / 仕事上のストレス / 精神的健康度 / コンピュータ技術者 / SCID-II Screen / SDS / GHQ-30 |
研究概要 |
本研究は、2部に大別される。第1部では、高度情報化が端的に具現されているコンピュータ製造工場をフィールドとして設定し、コンピュータ技術者の人格傾向、仕事上のストレスおよび精神的健康度について研究するために、そこに勤務する781名のコンピュータ技術者および214名の事務職従業員を対象に、自記式質問紙調査を実施し、人格傾向の調査票SCID-II Screen、ストレス質問題、Zungの自己評価式抑うつ性尺度および精神健康調査票30項目版(GHQ-30)を含む質問紙調査を実施した。その主要な結果を以下に急挙する。(1)学歴別に検討すると、大卒群において、分裂病型および回避性人格傾向の得点が、事務職従業員に比べ、コンピュータ技術者で有意に高かった。大卒のコンピュータ技術者において、これらの人格傾向と勤続年数との間に有意な関連はなかった。(2)調査した仕事上のストレス(仕事の量的負担感、職場の対人関係上のストレス、競争・解雇不安および職務不適性感)のいずれにおいても、コンピュータ技術者と事務職従業員の間で、得点に有意差は見られなかった。(3)職務不適性感と職場の対人関係上のストレスの得点は、大卒に比べ、高卒で有意に高かった。(4)3種の仕事上のストレス(仕事の量的負担感、競争・解雇不安および職務不適性感)の得点において、年齢による有意差が認められた。(5)ソフトウエア技術者では、強迫性人格傾向、仕事の量的負担感、職場の対人関係上のストレスおよび職務不適性感が、抑うつ症状と有意に関連していた。第2部では、勤労者の精神的健康状態の主な構成要素とライフスタイルとの関連を定量的に検討することを目的として、某精密機器メーカーの2,132名の男子従業員と668名の女子従業員に対して、精神健康調査票28項目版(GHQ-28)と健康習慣8項目を含む質問紙調査を実施し、健康習慣指数の得点が高い、つまり望ましいライフスタイルであるほど、GHQ-28の得点が低い、つまり精神的健康度が高いという結果が得られた。
|