研究課題/領域番号 |
05205102
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
安久 正紘 茨城大学, 工学部, 教授 (10016462)
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研究分担者 |
岡本 良夫 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (20152358)
野口 康二 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50147948)
寺町 康昌 職業能力開発大学校, 教授
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キーワード | 複素インピーダンス / ロックインアンプ / 境界要素法 / 境界積分方程式 / 3次元感度分布 / 比抵抗法 |
研究概要 |
本研究ではロックインアンプを用いた〜1MHzの周波数範囲で土壌の複素インピーダンスを計測できるシステムの開発、および測定されたデータの新たな解析方法の開発とその評価を進めてきた。前年度までの段階では印加電圧の周波数が100kHz以上になると電極間の配線材に存在する寄生容量が大きな障害となり、インピーダンスの虚数部の測定は困難であった。そこで今年度は電極と一体化できる型の増幅器系を作成し、すべての信号伝送系の低インピーダンス化を謀った。これにより位相誤差が〜2°となる複素インピーダンス測定器を作成することができた。以上のようにして作成された測定器の性能を調べるため理論解析とそれに基づく水槽を用いた評価実験を行ない、作成したシステムが電極の接触さえ完全であれば〜1MHzの周波数範囲で、土壌の複素インピーダンスを計測できるものであることを確認した。 また電気探査の理論的な解析としては、地表面に内部と異なる地層が堆積している場合に対応するため、鏡像法と境界要素法を組み合わせた電位計算法を一般化し、地表面が内部と伝導率の異なる一様な厚さの表層に覆われた場合に対する境界積分方程式を導いた。 さらに電極を多数、同時に設置して測定することの利点を、測定や解析の効率ばかりでなく、地下浅部の異常体の検出能力を高めることに生かすために、基礎的な検討として、比抵抗法により様々な電極配置における3次元感度分布を埋没球モデルを用いて計算した。これにより高い感度を有する電極配置は表層や地形の影響を大きく受けやすいこと、表層付近の状況が結果に大きく影響を及ぼすような場合には電流収束型が有効であろうこと、最適な電極配置の選択は調査地の状況に大きく依存すること等がわかった。
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