研究課題/領域番号 |
05205102
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
安久 正紘 茨城大学, 工学部, 教授 (10016462)
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研究分担者 |
赤羽 秀郎 茨城大学, 工学部, 講師 (50192886)
岡本 良夫 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (20152358)
野口 康二 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50147948)
寺町 康昌 職業能力開発大学校, 教授
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キーワード | 多電極自動測定器 / 市販探査器対応システム / 地形補正法 / 回転楕円体近似 / 境界要素法 |
研究概要 |
我々は平成7年度までに市販探査器対対応型の電気探査用多電極自動計測システムの製作および境界要素法と鏡像法を組み合わせた効率の良い比抵抗分布推定法や地比抵抗の異なる多層構造が存在する場合の計算方法を開発してきた。本年度はこれらをもとにし、福島県郡山市にある大安場古墳の調査解析および、埋蔵物を回転楕円体で近似しその形状を推定する計算法の開発を行なった。大安場古墳は全長80m程の前方後方墳で4世紀ころの作とされているが2年ほど前にその存在が確認されたものであり主体部に関する本格的な調査は何もされてはいなかった。我々は後方の墳頂部に南北16m東西11mのグリッドを設け電極間隔1mにて電気探査を行なったが、探査領域内には大小様々な凹みが点在し比抵抗分布の推定にはかなり困難が予想された。実際これらの凹みの影響によりにより一般の解析法による推定は不可能であったが、我々は凹の形状を半球で近似しその影響を補正する地形補正法を開発し、古墳の主軸から約30度東にずれた方向に低比抵抗の構造が推定された。我々の探査の後この領域の試掘がおこなわれ、その結果低比抵抗の異常位置に木棺およびそれを取り巻く粘土郭の存在が確認された。これらの結果から我々の開発した装置ならびに解析方法は表面に凹みがある様な複雑な地形においても有効であり汎用性が高いことが確認された。また、回転楕円体近似を用いた計算により中心座標および主軸の長さは設置電極間隔の約20%、向きは0.2radの誤差範囲内で推定が可能であることが分かった。
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