• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

音声と音声言語の発達

研究課題

研究課題/領域番号 05206104
研究機関東京大学

研究代表者

桐谷 滋  東京大学, 医学部(医), 教授 (90010032)

研究分担者 村井 潤一  甲南女子大学, 文学部, 教授 (30030323)
出口 利定  東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (50143623)
正高 信男  京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (60192746)
小嶋 祥三  京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70027499)
杉下 守弘  東京大学, 医学部(医), 教授 (10114513)
キーワード音声発達 / 言語発達 / 音声知覚 / 語い獲得 / 乳児 / チンパンジ / 脳側性化
研究概要

チンパンジーの音声知覚能力については摩擦子音の弁別において、知覚的類似度に基づいて、各子音を2次元平面上にプロットしたところ、調音場所と有声・無声が2つの軸を構成した。又[u]から[i]へ移行する母音系列の弁別を行わせるとこれらの結果は音声の生成と知覚の一致の一つの例と考えられる。一方、チンパンジーの映像と音のモダリティ間のマッチングはその維持が容易でなく、音声言語を可能にするA-Vintermodel integrationの機能はチンパンジーではよわい。ヒト乳児とチンパンジーにおける初期音声発達の比較では、乳児ではbangingに代表される特定の反復運動だけが特異的に喃語の発声と同期し、しかも喃語発現期のごく初期にのみ生起することが分かった。この時の音声は特徴的な性質を示し、その後の身体運動との同期を示さなくなった時期の音声と類似している。同時にチンパンジーにおいても同期身体運動は存在することが確かめられた。但しチンパンジーは多音節の発声に対するチンパンジー自体の聴覚選好が見られず、そのため多音節発声への移行が生じないのだろうと推測された。
乳児の音声知覚発達については、選好注視度による実験による母語(日本人乳児の日本語)への選好が10ケ月でみられ、選好が従来報告されている生後直後にも見られる母語・非母語の弁別とは異なることが示唆された。又、親密度の高い単語に対する選好は、仏語等と同様に1才前に観察された。但し日本語では節境界の知覚が米語とは異なり10ケ月たってから生じ言語間の差異が示された。さらに、初期言語発達について、認知行動のパタンと語い、数種類の発達変化との関係が解析され、又、早期の脳障害についてその特性により、その後の言語の側性化に与える影響の異なることが見出された。

  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] 林 安紀子 他: "乳児の日本語境界の知覚-選好振り向き法を用いた実験的検討" 電子情報通信学会技術研究報告. 105. 9-16 (1995)

  • [文献書誌] Hayashi,A. 他: "Perception of foous in stress acient language (greman)and non-Stress accent language(Japanese)" The XIII^<th> Int.Cong-of Phonetic Siences 95 Stockholm. 3. 640-643 (1995)

  • [文献書誌] Maekawa,K.他: "Electromyographic Study of focus and accent in Japanese" J.Acoust.Soc.JPn(E). 16. 291-298 (1995)

  • [文献書誌] 桐谷 滋 他: "乳児における言語音獲得の過程" 日本音響学会誌. 52(印刷中). (1996)

  • [文献書誌] Imaizumi,S. 他: "Neural representation of concurent Sounds a magnetoencephalographic study." Electroencephalography and clinical Neurophysiology. (印刷中). (1966)

  • [文献書誌] 小嶋 祥三: "動物の意識:霊長類への自己鏡映像への反応" 失語症研究. 15. 141-147 (1995)

  • [文献書誌] 小嶋 祥三: "サルの研究からみたヒトの音声言語" 音声言語医学. (印刷中). (1996)

  • [文献書誌] Masataka,N.: "Relation between index-fingen extention and acoustic quality of cooing in three-month-oldintant." J.Child Language. 22. 247-257 (1995)

  • [文献書誌] Sugiura,H.他: "Temporaland acoustic flexibility in vocal exchanges of coo calls in Japanese macaques." New York:Plenum, 140 (1995)

  • [文献書誌] 村井 潤一 他: "障害児発達学の基礎:障害児の発達の教育" 東京:培風館, 300 (1995)

  • [文献書誌] Sasaki,M.他: "Observation on micro-exploration in everydayactiveities." Studies in perception and action III.LEA, 105 (1995)

  • [文献書誌] 正高信男: "赤ちゃんウオッチングのすすめ" 別冊発達(印刷中), (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi