研究課題/領域番号 |
05206108
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
久保田 競 日本福祉大学, 情報社会科学部, 教授 (30027479)
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研究分担者 |
子安 増生 京都大学, 教育学部, 助教授 (70115658)
山本 淳一 明星大学, 人文学部, 助教授 (60202389)
下條 信輔 東京大学, 教養学部, 助教授 (70183837)
糸魚川 直祐 大阪大学, 人間科学部, 教授 (90027962)
鹿取 廣人 帝京大学, 文学部, 教授 (80012300)
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キーワード | コザル / 自閉症 / 潜在記憶学習 / チンパンジー / キヤバ |
研究概要 |
第3年度の終わりにあたり、全班員で予定した通りの成果があがりつつあるが、まだ最終論文として発表できたものは、少なかった。それは、最終年度に期待しなければならないこととなった。久保田は、コザルに5秒の遅延反応を充分に学習させて、前頭連合野の46野にGABAa阻害剤ビククリンやGABAb阻害剤ファクロフェンの微量を局所注入させた。どちら側の46野にどちらの阻害剤に注入しで、左右のどちらの手を使って課題を遂行しても、遅延反応の成績が悪くなり、エラーが増えた。同時に保続のエラーも増えた。遂行エラーの増加には左右脳で差は見られないが、保続エラーでは、右手を使うサルで、右脳注射では、左へのエラーが増えるが、左手を使うサルでは、逆になった。また、学習が完成していないコザルの46野にビククリンやファクロフェンを注入しても、成績がさらに悪くなることはなっかた。このことから、GABA抑制の働くことが、コザルで遅延反応の学習を成立させることが、解った。糸魚川は、勝山の野外ニホンザル群で、17年間ボスの座にあった雄ザルが28歳になって、身体条件が老化しつつも雌ザルボスの助けを借りながら死ぬまで、ボスの座を維持した珍しい環境相互作用の例を報告した。下条は、幼稚園児の潜在記憶の学習が、従来報告されているのとは違って、条件によっては、成立することを示した。山本は、2語分しかしゃべれない自閉症児に、チンパンジーで成功した刺激等価法を使って、視覚刺激に言葉を対応させる訓練を強力に行うと、言語を修得させることの出来ることを示した。 鹿島と子安は、前年度の研究を継続中である。
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