1.発声神経系の発声信号に対する応答 1)成鳥雄キンカチョウの中枢発声系のMANとHVcは、発声信号(歌の要素・note)に対して明確に異なった反応を示した。MANはnoteの周波数特性(周波数組合せ)に対して応答し、HVc周波数組合せに関係ない応答をする。 2)聴覚隔離(生後親鳥から鳴声を含めて、外界の音から遮断する)後1年令(成鳥)の雄キンカチョウMANは、正常雄キンカチョウHVcに似た応答をする。 3)成鳥雌キヤカチョウMANは、2)の聴覚隔離と同様な反応を示す。 2.発声系の損傷による応答変化 1)成鳥雄キンカチョウはnoteの特性を刺激としたオペラント学習に成功した。noteの周波数組合せ特徴を区別して学習することがわかった。 2)上記のキンカチョウのMANを損傷させるとオペラント学習は不能となった。しかし、刺激として単純な音の弁別(純音とノイズ)は可能である。 以上1と2の結果からキンカチョウの発声系のMANは発声信号(歌)の弁別に不可欠な部位であり、自らの歌を学習するのに重要な働きをする事が示唆される。
|