研究課題/領域番号 |
05207109
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西村 重夫 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (90132422)
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研究分担者 |
弘末 雅士 天理大学, 国際文化学部, 助教授 (40208872)
横山 俊夫 人文科学研究所, 助教授 (40027553)
白石 昌也 横浜市立大学, 文理学部, 教授 (70127330)
河上 倫逸 京都大学, 法学部, 教授 (80093227)
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キーワード | 外文明 / 内世界 / 文明と文化 / 境界性 / 意味空間 / 国民国家 / 東南アジアの世界像 / 国民統合 |
研究概要 |
第一に、東南アジア地域研究を専門とする研究代表者・分担者からの「外文明」と「内世界」の重層的構造を解明する試みが個別具体的に進められた。土屋は、『インドネシア思想の系譜』を著わし、インドネシアの成立を思想史の視座から究明した。土屋は、「外文明」と「内世界」の葛藤を促え、20世紀に生まれた一つの国家、国民における知の営みを描き出した。白石は、ベトナムの王朝が革命政権によって解体され、吸収されていく過程を、儒教的国家・王朝・革命概念のコンテクストに添って政治文化的に解釈した。西村は、カリマンタンの国境地域における学校を調査し、学校教育に認められる国民統合の力学を考察した。弘末は、近世の北スマトラをテーマとし、民族グループが定着していく過程における南インド出身者の果たした役割を解明した。 第二に、日本研究およびヨーロッパ研究を専門とする研究分担者から「外文明」と「内世界」の関係をめぐる比較の視座が提示された。河上は、西欧植民地支配の歴史的意義を近代日本の果たした役割を視野に納めつつ検討が進められた。横山は、日本および琉球における外来文明の変用と土着化の相互関係において、両者が重層性をもって混じりあう様子を究明した。園田は逆欠如理論を発表したが、それは、日本文化を分析する枠組をもとに外国の文化を分析し、その枠組が日本以外の文化にも有効であるかどうかを明確にする方法論である。 第三に、他の研究班と積極的に交流を行ない、そこからいくつかの成果が生まれた。公募研究B01班ほかと研究交流を行ない、民族・国民・国家の創出について新しい視角が与えられた。
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