研究概要 |
原口: まず、第一の目標であるシソーラスを直接的に参照する推論方式を、order-sorted logicを用いて簡単に実装しうることを確認した。その際、法的概念のインスタンスをあるソートの項として表現するための新たな一階言語を与えた.また,外延的な記述と同時に内包的な記述を可能にする型順序言語を実装し,内包的意味論に基づく法的仮説生成研究のための実験環境を整えた. 野村: 法律文の制限言語モデルを策定するために,実際の法律文を解析・分析し,法律文の分類のために必要な要素が示された.さらに,法律文の素性論理構造表現にこれらの分類情報を搭載し,言語処理に活用することを検討した. 新田: 価値判断に基づく法的推論システムの実現に必要な推論機能の分析、(2)それを実現するための非単調推論の機能を持つ新しい知識表現言語の開発、(3)汎用の概念辞書ををベースとした法律用の概念辞書の開発、(4)判例に含まれる情報の分析と新言語による記述実験、(5)論争に用いられる価値観に関する知識の分析、などを行った。 廣田: ルール型ファジィ推論及び時間的知識の変化を記述していくのに適しているフレーム型ファジィ推論の法律エキスパートシステムへの適用について研究しファジィ知識表現とファジィ推論機構のプロトタイプモデルを試作した。 山口: 法律知識ベースの記述プリミティブ群を定義するオントロジーとしての法律専門辞書の構築法について検討した結果,国際売買法を題材として,入力として与えた概念定義と概念階層木を汎用概念辞書に関係子レベルで照合しながら対応付けるプロセスにより,それらがより精致に獲得できる事を確認した.この結果は,条文レベルの抽象語彙群と事案レベルの具象語彙群を対応付けるハイブリッド辞書の構築につながるものである.
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