研究分担者 |
山口 高平 静岡大学, 情報学部, 助教授 (20174617)
新田 克己 電子技術総合研究所, 知能情報部, 室長
廣田 薫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50130943)
野村 浩郷 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (30208392)
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研究概要 |
平成6年度の研究成果に基づいて、法的推論プロトタイプシステムにおける各サブシステムの洗練化、および一部のサブシステムの結合を行った。 (1)基本推論および解釈生成プログラム: まず、推論基本システムに関しては知識表現言語として、順序ソ-ト論理の言語的拡大を施した言語を設計し、そのPrologコンパイラを作成した。この方式では、拡張単一化にシステムが要する負荷をできうる限り軽減させる目的で、言語が持つ語彙的部分の処理である単一化に関する情報を述語の引数に持たせる形式でPrologの節に直接的に変換するコンパイル方式を実装した。このことにより、法的知識記述のための言語的拡張部分の負荷を感じさせることなく、順序ソ-ト論理の基本推論を実行するエンジンが可能となった。次に、条文の類推解釈もしくは判例参照のメカニズムを実現する目的で、条文の趣旨ならびに所与の事例が持つ状況を考慮して適切な類似性を切り出すアルゴリズムの設計を行い、さらに、その第1次実装をPrologおよびフリーソフトウェアであるKLIC上で行った。この方式によれば、条文ルールの要件部と、ケースで成立している事実の間に起こり得る類似性の中で、適切でないものを棄却する制約条件を与えており、数値的な経験則を用いずして、可能な類似性をある程度の絞り込むことが実現されている。 (2)知識ベース構築支援システム 国際売買法を題材として、入力として与えた法的オントロジー(概念定義と概念階層木)を汎用概念辞書に関係子レベルで照合した後に,位数,深さ,概念間の構造的関係などの観点から比較評価する静的解析を行った後,その差異を駆動限として,法的オントロジーを改訂するシステムを開発し、さらにその洗練化を行った。 (3)法律自然言語解析ツール: 前年度までに得られた、法律文解析結果に基づいて、これらに論理構造を加えて法律文解析システムを実装した。
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