研究課題/領域番号 |
05208103
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
加賀山 茂 名古屋大学, 法学部, 教授 (20169379)
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研究分担者 |
養老 真一 大阪大学, 法学部, 助手 (30240831)
福永 恵美子 大阪大学, 法学部, 助教授 (70113587)
大村 敦志 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教授 (30152250)
竹内 保雄 明治学院大学, 法学部, 教授 (20062127)
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キーワード | 法律エキスパートシステム / 国連国際動産売買条約 / 契約法 / 消費者保護 / 解除 / 危険負担 / 損害賠償 / 法律流れ図 |
研究概要 |
1.平成8年度においては、国連国際動産売買条約の法律流れ図を改訂するとともに、国際統一売買法に関して得られたこれらの成果をさらに発展させて、わが国の契約法、消費者保護法に関して、条文の相互関係を法律流れ図で表現する作業を開始し、民法の体系書の第1巻を発向するという成果を得た。 2.民法の契約法と国連国際動産売買条約との知識構造の比較を通じて、以下の知見を得た。 (1)予約(民法556条)、手付(民法557条)の規定を子細に検討することによって、予約と申込の誘引の共通の機能、すなわち、承諾権限の取得という機能を明らかにし、これを法律時報68巻10号76頁以下に公表した。 (2)民法の危険負担の規定(民法534条以下)と国連国際動産売買条約との比較検討を通じて、民法の解釈としても、危険が移転しておらず、履行が完了していない場合には、当事者の責めに帰すべきでない事由によって履行不能となった場合においても、契約の解除が可能であることを導くことができることを明らかにした。 (3)損害賠償額の算定基準について、わが国においては、通常損害とを区別し、前者については予見可能性を必要とせず、後者については当事者の予見可能性を必要とすると規定されている(民法416条)。しかし、国連動産売買条約のように、すべてを予見可能性の有無で判断することも可能であり、このようなアプローチの方が、予見の主体、予見の時期という方法で、問題を体系的に処理できることを明らかにした。
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