研究課題/領域番号 |
05209202
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
引地 邦男 北海道大学, 理学部, 教授 (30000805)
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研究分担者 |
大木 進野 北海道大学, 理学部, 教務職員 (70250420)
竹腰 清乃理 京都大学, 理学部, 助教授 (10206964)
田中 勲 北海道大学, 理学部, 教授 (70093052)
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キーワード | NMR / カルモデュリン / カルシウム / マグネシウム / マストパラン |
研究概要 |
カルシウム結合蛋白質のなかでも最も良く知られているもののひとつであるカルモデュリン(CaM)について、その構造と機能をNMRを用いて調べた。 カルシウム(Ca)濃度が低いときには、標的酵素(E)と結合しているCaMが優先的にCaと結合して標的酵素活性型(4Ca-CaM-E)とCa非結合型のCaMができることを、我々は既に見いだしていた。生理的なイオンの濃度を考えると、この現象が生体内では実際に起こっているとは考えられない。Ca濃度が低いときには活性型のCaMが出来ないようにする要素があると予想し、生体内に大量に存在するマグネシウム(Mg)に注目した。Mg共存下ではCaM-EにCaが集中するこの現象が見られないことを^<113>Cd-NMRスペクトルによって観測した。 1次構造の相同性の低い酵母CaMについてCa結合と標的酵素のモデルであるマストパラン(MP)結合による構造変化の様子を^1H-NMRスペクトルを測定することにより検討した。一般的なCaMの場合、Caは2個ずつ2段階で結合しC末端側のドメインが高親和性である。しかし、酵母CaMは最もC末端側にはCaは結合せず、Ca結合は始めに2個後で1個の2段階で起こることが明らかになった。さらに、MP存在下では3個の結合サイトのCa結合能は同程度になること、MP結合は弱いかあるいは酵母CaM1分子に対してMP2分子であり一般的なCaMと異なることが見いだされた。
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