研究課題/領域番号 |
05209213
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
浅田 浩二 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (50027182)
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研究分担者 |
真野 純一 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (50243100)
遠藤 剛 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (90201962)
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キーワード | アスコルビン酸 / ペルオキシダーゼ / 葉緑体 / 膜タンパク質 / モノデヒドロアスコルビン酸 / チラコイド膜 |
研究概要 |
アスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APX)は植物および真核藻類に特異的に存在し、過酸化水素やそれから生じるヒドロキシラジカルによる障害から葉緑体やその他の細胞内成分を防御する。この酵素がなければ光合成にとって最適な条件下でも不可避的に生成する過酸化水素によって炭酸固定系は数秒のうちに失活する。今年度はストロマ型イソ酵素のクローニングを行いその分子的性質の解明を試みた。 キュウリ子葉cDNAライブラリーをチャストロマ型アスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APX)抗体を用いてスクリーニングし、得られたクローンの塩基配列を決定したところ、750bpのORFを見いだした。一次配列からこのORFは細胞質型APXであると予想された。また、他のペルオキシダーゼとの相同性を調べたところ、グアヤコールペルオキシダーゼよりも酵母チトクロムcペルオキシダーゼ(CPX)との相同性が高く、CPXにおいて反応機構に直接関与すると考えられているTrp、Arg、Asp残基はいずれもAPX上に保存されていた。ペルオキシダーゼは過酸化水素との反応でラジカル中間体を形成するが、このときグアヤコールペルオキシダーゼではポルフィルンラジカルが、CPXではTrpがラジカルとなることが知られており、APXがCPXタイプの反応中間体を形成することが示唆された。細胞質型イソ酵素との相同性を調べたところ、約55%と低く、またN末端の配列が全く異なっていることから、葉緑体型と細胞質型イソ酵素はそれぞれ独立に進化してきたと考えられる。
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