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1993 年度 実績報告書

分子種によるP450活性部位の構造的個性とその反応性への影響

研究課題

研究課題/領域番号 05209226
研究機関大阪府立大学

研究代表者

今井 嘉郎  大阪府立大学, 農学部, 教授 (60029949)

キーワードP450 / 脂肪酸水酸化酵素 / 基質認識機構 / 部位特異的変異体 / ヘム遠位の環境 / ヘム・リガンド相互作用
研究概要

1.肝臓のP450の内、脂肪酸(omega-1)水酸化活性を有する2C2と2E1とは鎖長および水酸化位置の選択機構が異なることを昨年までに見出した。今回は、炭素数9〜18の直鎖脂肪酸について水酸化産物をガスマスで分析同定し、両者の違いを一層明確にした。例えば、炭素数16の脂肪酸2E1の保存性Thr→Ser変異体を作用させると7種類の水酸化体を生じるが2C2の変異体は水酸化せず、一方、炭素数9の脂肪酸に対しては2E1の変異体は専ら(omega-1)水酸化体を生じるが2C2の変異体はomega水酸化体をより多く生じた。アセチレン酸アルコール類に対する感受性にも両P450の基質認識機構を反映すると推察される相違が見られた。
2.2C2、2E1、2C14の保存性Thr→Lys変異体を作成脂、スペクトル的性質を比較することにより3種類のP450で活性中心であるヘム遠位環境のトポロジカルな相違を示唆する結果を得た。なお、野性型でこの位置のアミノ酸がProとなっている3A1についてもLys変異体を作成し、スペクトル的性質を検討すべく精製を行いつつある。還元型P450の窒素性配位体は二つの状態(455nm型と422nm型)をとり得、これに5配位状態を加えた三者の平衡関係にP450の個性が現れるので、これを指票に今後より広く比較したい。
3.結晶構造解析が報告されているP450camについて保存性Thr→Lys変異体を作成、精製、スペクトル的性質を調べた。2に述べた三者の平衡関係に基質カンファーの有無が影響することが分かった。カンファーは野性型では外性窒素配位を妨害するのに対して、Lys変異体では内性窒素配性を促進する点は注目に値する。大量精製に好適な材料であるので、今後、ヘム物性について解析をすすめ、2つの状態の実体を解明したい。

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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