本研究では地上望遠鏡からの中間赤外線領域での観測の為の基礎的な実験と開発を行うことを目的とし、(1)高速での検出素子駆動システムの開発と、(2)長スリット分光器の開発、の2点について研究をおこなった。 (1)高速での検出器駆動システムについては、128x128の画素を持つ素子を200Hzで駆動し、画像データをフレームメモリに積算することのできるシステムの開発を行った。現在までに、デジタル部分のHDL(ハードウェア記述言)によるシステムの記述とシミュレーションを終えており、アナログ回路については主な部品を入手した段階である。あと数ヶ月でシステムが完成する予定である。 (2)分光器については、十分な性能の得られる光学的な解を見つけることができたので、それに基づいて光学素子の制作を依頼し、既に入手している。機械部分については設計を終えて、部品の加工を依頼している。2月中にはこの加工を終える予定であり、今年度内には組み立てを行う。その後、来年度からは調整と試験を開始し、来シーズン(秋以降)から試験観測を行う予定である。
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