研究課題/領域番号 |
05221233
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
菅原 基晃 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60010914)
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研究分担者 |
近藤 順義 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90178434)
石原 和明 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (30119888)
中野 清治 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (10138919)
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キーワード | 心機能 / 心収縮性 / 心室 / 心仕事 / スターリングの法則 / 応力 / 心室圧 / 心力学 |
研究概要 |
病的心臓の病態の詳細な解析には、心室壁局所の機能を総合的に解析する必要がある。この局所機能解析法の開発が本研究の目的である。我々の方法は、心室壁の着目した局所の平均壁応力sigmaと壁厚Hの間の関係に基づくものである。左室圧、左室短軸内径、着目した局所の壁厚を同時測定し、得られたデータからsigma-log(1/H)関係を一心周期にわたって求めた〔sigma-ln(1/H)ループ〕。このsigma-ln(1/H)ループから、次の三つの指標を求めた。(1)局所仕事。sigma-ln(1/H)ループに囲まれた面積は、心筋の単位体積あたりの局所仕事(RWM)に等しい。(2)局所心筋収縮性。sigma-log(1/H)ループが変化する際に収縮末期sigma-log(1/H)関係を表す点は、同一直線上を移動する。この直線の傾きは、心臓の大きさに依存しない規格化された心筋収縮性を表す。(3)局所心筋機能曲線。RWMと拡張末期log(1/H)の関係は心臓のスターリングの法則に従い、局所心筋機能曲線を表す。 (1)(2)の妥当性と有用性については、これまでに報告してきたが、今回は(3)について、イヌを用いた動物実験により、さらに詳しい解析を行った。その結果、局所心筋機能曲線は、極めて良い精度で直線に近似することができ、その傾きは(2)の局所収縮性の変化とともに変化する、またこの直線は、生理的な範囲内での大動脈圧変化の影響を受けない、ということが明らかとなった(研究発表参照)。従って、我々は、この局所心筋機能曲線(直線)の傾きを、新しい心収縮性の指標として提案する。これにより、我々のsigma-log(1/H)ループに基づく方法の有用性は、一層増すものと考える。
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