研究課題/領域番号 |
05221239
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10152365)
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研究分担者 |
松本 健志 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (30249560)
木村 昭洋 川崎医科大学, 医学部, 助手 (60204971)
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キーワード | 血流速度プロフィル / 血管内皮 / レーザスキャン顕微鏡 |
研究概要 |
本研究は微細な流れの構造や局所的な血行力学的因子を詳細に検討し、血管壁細胞の形態や機能などに与える影響を総合的に解析して、動脈硬化病変の局在化の機構、および進展の機序を解明することを目的とした。昨年度には、動脈硬化の初期病変が生じやすい腎動脈分枝入口頭側の局所血流動態が、相対的低ずり速度、流れの剥離と時間的振動性を示すことを確認した。そして本年度は、このような特徴を示す分岐血管内皮細胞の形態的・機能的分布を共焦点型レーザ走査顕微鏡を用いて明らかするため、Fアクチンと細胞核内DNAをそれぞれ蛍光染色剤であるローダミン・ファロイディンとビスベンジマイドにより選択的に染色し、観測、解析を行った。 その結果、腎動脈分枝入口頭側、すなわち低ずり速度、流れの剥離と時間的振動性が特徴的である部位においては、細胞形状は歪であり、その中の核の形状は円形に近く、また細胞内にはストレスファイバはあまり観測されなかった。三次元的には、ストレスファイバは内皮細胞の血管腔側よりも血管壁基底膜側に多く観測された。一方、腎動脈分枝入口尾側あるいは腎動脈分岐末梢部などずり速度が大きい部位においては、細胞形状は流れに添って細長く配列し、核の形状は楕円形を呈してかつ流れの方向に添って配向していた。また、ストレスファイバは流れの方向に沿った走行を示し、かつ細胞内に多く存在していた。このように、局所的な血行力学的因子と内皮細胞の形態が密接に関連していることが明かとなり、局所血流動態が動脈硬化の局所的な発生・進展に密接に関連することが窺われた。 今後、内皮細胞の核および弾性繊維の形状と流れの特徴についての定量的解析を進めるとともに、動脈硬化発症進展と密接に関連している脂質の沈着、透過状況についての計測評価を併せて推進する。
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