研究課題/領域番号 |
05223209
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石田 清仁 東北大学, 工学部, 教授 (20151368)
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研究分担者 |
貝沼 亮介 東北大学, 工学部, 助手 (20202004)
大谷 博司 東北大学, 工学部, 助手 (70176923)
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キーワード | B2相 / 金属間化合物 / 組織制御 / Ni-Al基合金 / 加工熱処理 / 機械的性質 / 熱間加工性 / 状態図 |
研究概要 |
次期耐熱材料として盛んに研究がなされている金属間化合物は、一般に延性に乏しく、そのことが実用化への最大の障害となっている。単相では脆い材料も、多相化することにより延性の改善が得られる場合も少なくない。本研究では、高い融点と優れた耐酸化性を有するNi-Alβ相を主相とする多相合金を作製し、組織と機械的性質の関係を明かにした。 本年度は、Ni-Al-Fe系、Ni-Al-Co基系におけるβ+γまたはβ+γ'2相合金の組織と熱間加工性、機械的性質との兼ね合いについて研究をおこなった。同時に、Ni-Al-X系の状態図を作成し、次の点が明かとなった。 (1)鋳造組織と熱間加工性について a、β中にわずか数%のγ相が存在するだけで、加工性が飛躍的に向上する。 b、鋳造組織が、等軸晶の場合に加工性が良好となる。 c、γ'相の存在によって、熱間加工性は著しく劣化する。 (2)組織と機械的性質について a、γ相がβ相の結晶粒界にフィルム状に存在する場合に、6%以上の引張伸びが得られる。 b、Ni-Al-Fe系、Ni-Al-Co系では、β+γ'2相組織であっても良好な伸びが得られる。 c、状態図の情報を活用することによって、高温でβ+γ2相として熱間加工を行い、中温度で時効することによって組織をβ+γ'2相に制御できることを見いだした。この場合、マルテンサイト変態と規則-不規則変態の利用によって、極めて微細な組織を得ることが出来る。
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