• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

銅酸化物系反強磁性相の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05224214
研究機関群馬大学

研究代表者

五十嵐 潤一  群馬大学, 工学部, 教授 (20127179)

キーワード酸化物高温超伝導体 / 光学伝導度 / t-J模型 / スレーブフェルミオン表示 / 量子スピン系 / 1 / S展開 / フラストレーション
研究概要

1.t-J模型に基づき、ハイゼンベルグ反強磁性体に低濃度ドープされたホールの運動を研究し、ドルーデ強度と光学伝導度の計算を行なった。slave-fermion Schwinger-boson表示に基づき、ホールのグリーン関数を、自己無撞着ボルン近似を用いてドーピング濃度δの1次の範囲まで正確に求めた。本年度購入の計算機及び光磁気デスクを用いて数式処理、データ処理を行った。ドルーデ強度Dは、ゲージ不変性とワード恒等式の助けを借りて決定された。Dはδに比例し、又、上記ホールポケットの準粒子有効質量の逆数に比例することがわかった。DはJ/tの増加に伴いゆっくりと増加する。この結果を有限系の厳密対角化の結果と比べると、後者はδの大きな場合について得られていて、低濃度に外挿しなければならない。その結果は我々のものとは違っている。これは、非線形のδ-依存性がかなり小さなδで生じているところから来ていると推定される。有限振動数での伝導度も計算され、スピン励起に特徴的な振動数の近くに大きな強度が見いだされた。これは、実験で観測されているmidinfrared bandに対応するものと考えられる。
2.フラストレーションの存在する場合に量子ゆらぎとの競合がどうなるかを、正方格子J_1-J_2模型を用いて研究し、スピン波分散と副格子磁化を1/S-展開の2次まで計算した。両方の量とも、線形スピン波理論の結果への補正は、フラストレーションが増すにつれて増大する。展開は、J_2/J_1<0.35ではよく漸近収束している様に見え、両方の量のよい定量的評価を与えると思われる。補正項はJ_2/J_1<0.4で正で、線形スピン波理論の結果よりネール秩序を安定化する傾向が見い出された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] J.Igarashi: "Interplay between motion of hole and spin fluctuation in a quantum antiferromagnet at finite temperatures" Physica B. 186-188. 962-964 (1993)

  • [文献書誌] J.Igarashi: "Motion of a single hole in a quantum antiferromagnet at finite temperatures" Physcal Review B. 48. 998-1007 (1993)

  • [文献書誌] J.Igarashi: "Drude weight and optical conductivity of doped antiferromagnets" Physcal Review B. 48. 12713-12722 (1993)

  • [文献書誌] J.Igarashi: "1/S Expansion in a Two-Dimensional Frustrated Heisenberg Antiferromagnet" Journal of the Physical Society of Japan. 62. 4449-4457 (1993)

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi