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1993 年度 実績報告書

高圧合成法およびゾル-ゲル法による新超伝導体の探索と物性

研究課題

研究課題/領域番号 05224227
研究機関大阪大学

研究代表者

吉川 信一  大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10127219)

研究分担者 高橋 昌男  大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00188054)
金丸 文一  大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40029848)
キーワード無限層超伝導体 / 中性子線回折 / ラマン分光 / 高圧合成 / ゾル-ゲル法 / 新化合物
研究概要

(1)高圧合成した電子ドープ系超電導体Sr_<1-x>La_xCuO_2について米国アルゴンヌ国立研のJorgennsenらと中性子線回折に関する共同研究を行い、Sr_0._9La_0._1CuO_2の室温における平均構造は、酸素原子を含めて従来から考えられている無限層構造として矛盾のなく説明できることが明らかになった。しかしSr_<1-x>La_xCuO_2についてラマン分光をとると、Laをドープしない試料は無限層構造から予測されるようにラマン不活性であったが、Laをドープするとラマン活性になり局所的に構造が歪み、さらに冷却するにつれて歪みが大きくなると考えられた。また超伝導転移温度より低温の20Kまでの温度域でX線吸収スペクトルの測定を行ってCuの周りの動径分布をとると、温度を下げるにつれて、X=0に比べてX=0.1ではかなり顕著にCu-O距離が伸びる傾向が見られた。低温X線回折によって格子定数の温度変化を調べると、X=0の場合には温度が下がるとともに連続的に格子定数は縮むが、X=0.1の場合には超伝導転移温度以下でa軸長の収縮が小さくなった。これらの実験事実を考え合わせると、温度が下がるにつれてCuO_2面がCu原子を中心にして動的に振動するようになって無限層構造からズレて超伝導化すると考えられた。
(2)酢酸塩混合水溶液を酒石酸で滴定して得た固形物を焼成するゾル-ゲル法によって、常圧下で得られる無限層化合物Ca_<1-x>Sr_xCuO_2が0.10(〕 SY.ltoreq. 〔)x(〕 SY.ltoreq. 〔)0.16の組成巾を持つこと、およびCaをYでY_<0.03>Ca_<0.82>Sr_<0.15>CuO_2まで電子ドープ置換固溶できることを見いだした。
(3)BiO層とCuO層が交互に積層していると考えられる新しい化合物Bi_2PbCuO_5が得られ、二種類の結晶相のあることがわかった。今後キャリヤーをドープすることによって、超伝導化すると思われる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 吉川信一ら: "無限層Sr_<1-x>La_xCuO_2の超伝導性とゾル-ゲル法によるCaCuO_2の合成" 粉体および粉末冶金. 40. 175-178 (1993)

  • [文献書誌] S.Kikkawaら: "High Pressure Synthesis and Superconductivity of Infirite layered Sr_<1-x>La_xCuO_2" Applied Superconductivity. 1. 487-491 (1993)

  • [文献書誌] J.D.Jorgensenら: "Structure of Superconducting Sr_<0.9>La_<0.1>CuO_2(Tc=42k)from Neutron Powder Diffraction" Physical Review B. 47. 14654-14656 (1993)

  • [文献書誌] 入沢明典ら: "(Ln,Ce)_2CuO_4系におけるアニール効果" 粉体および粉末冶金. 40. 1041-1044 (1993)

  • [文献書誌] S.Kikkawaら: "Important Factors for Electron-Doping in T'-Type 214 Compounds" J.Solid State Chemistry. 110(印刷中).

  • [文献書誌] 入沢明典ら: "ペロブスカイト類似型Ba-Pb-Cu-O系新化合物の合成と性質" 粉体および粉末冶金. (印刷中).

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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