1.擬一次元化合物TlCu_7S_4の非化学量論的組成の試料を合成して、電気抵抗と熱測定をおこなった。その結果、CuあるいはTlが欠損すると電気伝導性が高くなり、キャリアー数も増加することがわかった。また熱測定より、この化合物の相転移の原因に関する知見が得られた。いかなる試料においても、2K以上では超伝導は観測されなかった。 2.擬一次元化合物BaCU_4S_3のBaにKを、SにSeを置換した試料を合成し、電気抵抗を測定した。BaCu_4S_3は200Kの相転移があるが、置換によって転移温度は変化しなかった。また、すべての置換試料で抵抗が減少した。2K以上には超伝導は観測されなかった。 3.新化合物BaTa_2Se_5の合成に成功した。構造はBaTa_2S_5型構造であることがわかった。電気抵抗測定によれば2.5Kに超伝導臨界温度をもつ超伝導体であることがわかった。帯磁率測定によってマイスナー効果も観測した。 未知組成のBa-Nb-Se化合物において3K付近に超伝導臨界温度を観測した。現在、試料を同定中である。
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