均一な反応場において反応測定を行うために衝撃波加熱法を用い、磁場を作用して反応速度に関するデータを得ることを目的としている。均一系においては、比較的容易にバルク条件やバルク種を含めていくつかの化学種の吸収・発光強度の時間変化が追跡可能となる。また、これらの結果に基づいて反応のシミュレーション解析を行い、磁場が及ぼす反応素過程への影響を探る。 このような均一系での高温反応および燃焼反応の磁場効果研究の測定手段として、本年度は新たに衝撃波管-磁場装置を設計・建設した。衝撃波管は内径36mmφで長さ2.55mのステンレス鋼管部と0.6mのパイレックス管製の観測部から成る。観測部には一対の光学測定窓(石英3mmφ)を備えており、この領域に管軸に垂直に均一磁場を作用する。衝撃波管は油拡散ポンプにより5x10^<-6>Torr以下に排気し、均一加熱温度範囲1000〜3000K、全圧力範囲0.1〜1.5気圧が期待できる。磁場の強さは、現在のところ、磁極径60mmφ、極間隔50mmで0.2〜0.3テスラを得ている。 上記の装置の他に、気相高温系で生成する重要な中間体、ラジカル種の磁場効果を探索また比較検討するために、流通式の常温気体反応セル(アルミ合金製)を製作した。ここでは対象化学種の生成方法としてマイクロ波放電やレーザー光分解法の利用を計画している。
|