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1993 年度 実績報告書

凸多面体に含まれる格子点の数え上げと可換代数

研究課題

研究課題/領域番号 05230002
研究機関北海道大学

研究代表者

日比 孝之  北海道大学, 理学部, 助教授 (80181113)

キーワード凸多面体 / Cohen-Macaulay環 / Gorenstein環 / Ehrhart多項式 / トーリック多様体 / 半順序集合 / Hilbert函数 / 三角形分割
研究概要

凸多面体の組合せ論を代数的および計算幾何的側面から進展させることが我々の研究課題である。当該年度では、凸多面体に含まれる格子点の数え上げに焦点を絞って、我々の研究を展開させた。整凸多面体Pが与えられたとき、その‘ふくらまし'nPに含まれる格子点の個数i(P,n)はnに関する次数d(=Pの次元)の多項式であり、PのEhrhart多項式と呼ばれる。ただし、nは非負整数である。可換代数の一般論によって、i(P,n)をHilbert函数に持つCohen-Macaulay次数付正規半群環A(P)が構成できる。我々は、既に、A(P)がGorenstein環となるためにPが満たすべき必要十分条件を双対凸多面体の言葉で記述することに成功していたが、A(P)がGorenstein環となるような整凸多面体Pの自然な類を発見することが懸案の問題であった。我々は、任意の有限半順序集合XからA(P_x)がGorenstein環となる整凸多面体P_xを構成し、更に、非特異射影的トーリック多様体のcohomology環の強Lefschetz定理を組合せ論的に応用することで、i(P_x,n)に付随する或る有限数列がunimodalであることも示した。他方、幾つかの計算機実験によって、i(P,n)に関する下限定理を予想し、Pの都合の良い三角形分割を構成することにより、その予想を肯定的に解決した。その他、球体の(必らずしも凸とは限らない)幾何学的実現のEhrhart多項式も考察の対象とし、A(P)の環論的性質を媒介として証明されていた、i(P,n)の係数についての幾つかの線型不等式の一般化を試み、部分的な結果を得た。将来、我々の研究を進展させ、Ehrhart多項式の理論を築き上げるためには、次数付正規半群環A(P)が次数1の元で生成されるための必要十分条件をPの組合せ論的な言葉で記述すること、計算機実験によってi(P,n)に関する然るべき上限定理を予想すること、などが重要な鍵となる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takayuki Hibi: "Cohen-Macaulay types of Cohen-Macaulay complexes" Journal of Algebra. (掲載予定). (1994)

  • [文献書誌] Takayuki Hibi: "Canonical modules and Cohen-Macaulay types of partially ordered sets" Advances in Mathematics. (掲載予定). (1994)

  • [文献書誌] Takayuki Hibi: "A lower bound theorem for Ehrhart polynomials of convex polytopes" Advances in Mathematics. (掲載予定). (1994)

  • [文献書誌] Takayuki Hibi: "Star-shaped complexes and Ehrhart polynomials" Proceedings of Amer.Math.Soc.(掲載予定). (1994)

  • [文献書誌] 日比孝之: "単体的複体と凸多面体の組合せ論" シュプリンガー・フェアラーク東京, 130 (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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