宇沢は無限次元グラスマン多様体のコンパクト化の侯補を無限次元グラスマン多様体を形式的ローラン巾級数体上のベクトル空間内の格子の変型空間と考えることにより、proalgebraicな代数多様体としての「コンパクト化」を定義した。この定義の特徴は、格子の変型空間であるから、格子を1パラメータ部分群に沿って極限を取ることにより、境界点が得られることである。ループ群の中の1パラメータ部分群であるから、2方向に変型することができ、FeiginとFrenkelのsemi-infinite flag manifoldが得られることが解った。今後の課題として、境界点を全て決定すること、およびこの種の無限次元多様体の上でのD-加群の局所化等がある。 又、球表現のテンソル積の分解について、特にSL_2の時を詳しく調べた。このとき、四つ以上のSL_2-加群のテンソル積を取ると、SL_2-加群として既約表現に分解したとき、無限重複度を持つことが知られている。ここでは、幾何的な実現を取ることにより、重複度空間の基底として、青本-Gelfandの超幾何函数がとれることが解った。 大島は関口氏、落合氏とともに球表現の研究を深めるために、球函数の満す微分方程式の変型族を構成した。 ここで楕円函数があらわれるのは興味深い。
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