研究課題/領域番号 |
05231101
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
河村 雄行 東京工業大学, 理学部, 教授 (00126038)
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研究分担者 |
神崎 正美 東京工業大学, 工学部, 助手 (90234153)
松井 正典 九州大学, 理学部, 助教授 (90125097)
中嶋 悟 東京大学, 理学部, 助教授 (80237255)
赤荻 正樹 学習院大学, 理学部, 教授 (30126560)
藤井 敏嗣 東京大学, 地震研究所, 教授 (00092320)
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キーワード | マグマ / ケイ酸塩融体 / 構造 / 物性 / 高温・高圧実験 / 分光測定 / 分子シミュレーション / 原子間相互作用 |
研究概要 |
3年間の計画の初年度として、「構造と物性の予測」のために次のように研究基盤の整備が行なわれた。 (1-1)高エネルギー物理学研究所放射光利用施設MAX90を用いて、albite融体などの粘性を球落下法で超高圧下で測定しつつある。X線透過度の違いから、球の落下が明確にビデオに記録されている。現在、これを解析しつつあり、またより高圧での測定を検討しつつある。(藤井、東大・震研、神崎、東工大・工) (1-2)高温熱量計を用いて測定したディオプサイドの融解熱は、1625K付近からの緩やかに変化と約1675Kを中心とする大きな吸熱ピークを示した。高温相平衡実験から示されている1620K付近からの分解融解と一致している。融解熱は139±2kJ/molとなり、従来の137〜140kJ/molと一致していた。(赤荻、学習院大・理) (2-1)マグマを溶融状態のままで分光法により構造を調べるため、今年度は「高温マグマその場分光分析装置」の概念設計を行った。赤外顕微鏡と加熱ステージ、およびフーリエ変換型近赤外-赤外分光計(FT-NIR-IR)の組み合わせにより、発光と吸収の両スペクトルが溶融状態で観測できる見込みである(中嶋、東大・理) (2-2)高温でのX線回折法によるマグマの構造解析では、実験室融体回折計の基本構成を検討し、高精度・高安定の高温炉とEDSとの組合せを採用することにした。高圧下融体構造解析では、MAXn0を用いた測定手法と解析手法の開発を行なっている。(河村、東工大・理) (3-1)Mg-Al-Si-Ca-O系結晶と融体のMD計算のための高精度なイオン間ポテンシャルモデルを導くこととした。現時点でMg-Si-O系についてかなりの成果を得た。SiO2、MgO、MgSiO3、およびMg2SiO4結晶系を共通のパラメータで記述し、さらに融体系についても再現性を得ること達成しつつある。(松井、九大・理) (3-2)Na-Al-Si-O-H-C系の高温融体の分子シミュレーションのための相互作用モデル、および分子シミュレーションでの融体の構造と物性の解析のための手法を開発している。(河村、東工大・理)
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