研究課題/領域番号 |
05231105
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高橋 栄一 東京工業大学, 理学部, 教授 (40144779)
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研究分担者 |
小澤 一仁 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (90160853)
前田 仁一郎 北海道大学, 理学研究科, 助手 (50165643)
高橋 正樹 茨城大学, 理学部, 助教授 (20134166)
山岡 耕春 名古屋大学, 理学部, 教授 (70183118)
荒井 草司 金沢大学, 理学部, 教授 (20107684)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | マグマ / 火山 / 島孤 / マグマ溜り / 火山噴火 / かんらん岩 / 玄武岩 / 流紋岩 |
研究概要 |
われわれは島孤火山の精密な深部構造とそこでのマグマ活動のダイナミクスを解明することを目指して三年間の共同研究を行った。上部マントルでマグマの発生と移動、下部地殻でのマグマの貯蔵とその組成変化、爆発的な噴火現象の発生機構に焦点を当てて、高温高圧実験、解析された火山の深部構造の地質学、地震学的手法を用いて火山の深部構造の推定などの多面的な手法からこの問題にアプローチした。その結果以下の成果を得た。(1)北海道の日高変成帯の南部に露出する幌満かんらん岩体について、詳細な地質学および岩石学的研究を行い、このかんらん岩体が高温でマントル最上部に貫入したマントルダイアピールの固結物であることを明らかにした。(2)日高変成帯の北部に露出するパンケヌシュ岩体および芽室岳岩体は日高島孤の下部地殻に形成された巨大なマグマ溜りの固結物であることを明らかにした。(3)日光白根火山の下にこれまで知られていたS波の顕著な反射面は、火山体を取り巻くように北側にも分布し、さらにその下の地殻下部にも別の反射面が火山体から北に伸びている。これらの反射面は比較的薄いマグマの濃集したシートで、p波のトモグラフィーからはこれらの反射面に囲まれた直径30km厚さ20kmの地殻が全体として低速度である事が分かった。(4)有珠火山のマグマ溜りは最初10kmの深さにあり、高温玄武岩と低温流紋岩の二種類のマグマから成る成層構造をしていた。1663年のプリニアン噴火によってこのマグマ通りの成層構造は破壊され、より浅部に玄武岩と流紋岩が混合してできたデイサイトのマグマ溜りが生じた。
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