研究課題/領域番号 |
05231106
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
巽 好幸 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (40171722)
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研究分担者 |
古川 善紹 京都大学, 理学部, 助手 (80222272)
渋谷 秀敏 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (30170921)
酒井 敏 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (30144299)
堀 智孝 京都大学, 人間環境学研究科, 教授 (40108981)
柳 哮 九州大学, 理学部, 教授 (90037234)
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キーワード | マグマ / マントル / ダイナミクス / コンピュータシミュレーション |
研究概要 |
本研究は、マントルウェッジ内の物質移動・リフト形成に伴う地域深部ダイナミクス・プレート内火山活動と地球深部ダイナミクス、の3点の解明を目的とする。 1.マントルウェッジ内の物質移動:マントルウェッジ内の温度構造を支配してマグマの発生に決定的な役割を果たす2種の2次対流について、岩石学的な束縛条件に基づいて評価を行ない、スラブの沈み込みに伴う対流が主要な役割を果たすことを明らかにした。さらに、本年度導入したワークステーションを用いて粘性係数の温度変化を考慮に入れた数値シミュレーションを行ない、マントルウェッジ内の物質移動と温度構造の合理的な再現を行った。 2.リフト形成に伴う地球深部ダイナミクス:日本海背弧海盆の形成に伴う物質移動について、日本海・東北日本弧の岩石について実験岩石学・地球化学的なデータを生産した。これらを束縛条件にしてアセノスフェアーの貫入と冷却に伴うリフト下の温度構造の時間変化について数値シミュレーションを行ない、背弧海盆形成に伴うマントル内の物質移動を明らかにした。同様の解析をアフリカ・ケニア地溝帯に対しても行なっている。 3.プレート内火山活動と地球深部ダイナミクス:カムチャッカ半島に分布する、従来プレート内火山活動であるとされた岩石について、地球化学的さらに数値シミュレーションに基づく検討を行ない、トランスフォーム/沈み込み境界での熱異常の結果マグマが発生したことを明らかにした。また、スラブ物質の大規模循環を考察する上で重要な束縛条件となる、脱水分解反応に伴う元素移動について、高温高圧実験を行ない、特に鉛が移動しにくいことを発見した。このことにより、ある種のプレート内マグマの発生に、マントル・核相互作用が重要であることが明らかになった。
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