研究分担者 |
松木 浩二 東北大学, 工学部, 教授 (10108475)
佐藤 一彦 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (30002009)
新妻 弘明 東北大学, 工学部, 教授 (90108473)
水田 義明 山口大学, 工学部, 教授 (20107733)
荻野 文丸 京都大学, 工学部, 教授 (50026069)
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研究概要 |
(1)多数の弱面を有する岩体の水圧破砕モデルを湯の森フィールド水圧破砕に適用し,同フィールドの人工貯留層の形成プロセスを明らかにした.AE震源分布から推定される貯留層構造と良く整合する結果が得られた.(2)本年度は,二次き裂群を伴う主流路内一方向流れの水の伝熱(物質移動)特性を実験的に解明した.さらに,岩体内の伝熱も考慮した数値解析を行い,き裂出口における有効回収熱量を試算した.(3)水圧破砕によって坑道側面と平行に作成された人工き裂の伸展範囲や開口幅分布と注水時の圧入圧,き裂内圧力,流量,き裂開口幅の関係を明らかにするために坑道側面の岩盤表面変位の計測を行った.(4)東八幡平フィールドで人工き裂周囲のき裂システムキャラクタリゼーション法の評価実験を実施した.き裂を透過するP波,S波について,き裂開口に対応すると思われる伝播遅延の生じることを見いだした.(5)き裂波の三次元粒子運動を解析し,そのコヒーレンス行列の第1固有ベクトルがき裂面の法線方向を良く近似できることを明らかにした.花崗岩試料の水圧破砕試験では,AEの空間分布と時系列はフラクタルであることを見いだした.水圧変化に伴うフラクタル次元の変化を明らかにした.(6)水圧破砕き裂について三次元的間隙データを用いた接触のシミュレーションならびに部分的に接触したき裂内の透水性評価のためのシミュレーションコードを開発した.(7)地熱構造特性を考慮した初期応力モデルとして弾性球殻モデルを考案した.釜石鉱山で実施した岩盤応力測定結果に,弾性球殻モデルを適用して,釜石地区における初期応力場の深度構造を明らかにした.(8)不連続性岩盤の構成式のモデル化を完成し,水圧破砕の解析を行い,実際の水圧破砕結果と比較した,水圧破砕が開始する限界水圧は実測値とほぼ一致しており,また、解析による破砕領域はこのAEソースの分布とよく対応している.
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