研究課題/領域番号 |
05232201
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
高島 勲 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (50163192)
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研究分担者 |
村上 英樹 秋田大学, 鉱山学部, 助手 (40250899)
西田 眞 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (70091816)
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キーワード | 断裂系 / 画像解析 / 地熱 / 高温岩体 / 放射能探査 / リニアメント |
研究概要 |
本研究では、地熱開発可能地域の天然の断層、断裂を高精度で求めることを目標に、衛星画像、レーダ画像、空中写真の画像解析、野外地質調査、放射能探査を組合せた方法を検討した。主な研究地は秋田県南部秋の宮である。本年度は室内での衛星画像・レーダー画像・カラー空中写真観察によるリニアメント抽出と野外での放射能探査が主要な作業となった。ランドサットTM画像およびレーダー画像については、エッジ処理を加え、画像中に含まれる線成分および境界部の抽出を試みた。エッジ抽出の処理は、画像に平滑化処理を施し、各方向の画像を合成し、エッジ抽出を行った。その結果、断裂の方向、密度、フラクタル次元が求められた。その特徴は、南部の火山帯と一致する基盤隆起地域でリニアメント密度、フラクタル次元が高くなっている。また、断裂の方向は、どの地域も東西及び南北に近い値を持っている。この結果から、火山帯地域では、天然断裂系の評価を入れた人工断裂形成法が必要であることが示唆された。放射能探査は、地下からのラドンガスに注目するもので、高い感度と放射線核種を同定できることから、断裂系の検出ばかりでなく地層の種類も決定できる利点がある。放射線探査の結果からは、空中写真から抽出されたリニアメント位置が地質調査から決定された断層位置より高い確度で異常を示すことが確認された。また、地層の種類の同定はできなかったが、カリウムの溶脱や付加が著しい変質帯の位置検出には有効に利用された。 画像解析による断裂解析は、位置が正確で効率も良い。しかし、空中写真・衛星画像等から抽出された線状構造が実際の地質の上で何を表しているかということの確認である。そのための手法としてはかなり限られているが、現地における精密地質調査を2〜3測線で行い、実体の把握に務める予定である。
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