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1994 年度 実績報告書

炭素クラスターの総括的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05233106
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

大澤 映二  豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40001763)

研究分担者 寿栄松 宏仁  東京大学, 理学部, 教授 (70013513)
江口 昇次  名古屋大学, 工学部, 教授 (50023099)
篠原 久典  名古屋大学, 理学部, 教授 (50132725)
鯉沼 秀臣  東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (70011187)
阿知波 洋次  東京都立大学, 理学部, 教授 (20002173)
キーワードフラーレン / 超伝導 / 環化付加反応 / 新材料 / ナノチューブ / クラスター / アルカリド-ピング / 相転移
研究概要

特に注目すべき成果のみを記す。阿知波は最近D_2-C_<84>異性体を単離してその構造を決定した。既に平成4年C_<84>の構造異性体にD_2とD_<2d>対称の2種類が存在する事実を報告したが、そのうち最も収率の高いD_2対称構造の異性体にはさらに候補が4種類ある。2次元^<13>C-NMR法により、この難問を解決した。鯉沼はパルスレーザー堆積法によるC_<60>薄膜の製作に世界で初めて成功した。KrFエキシマレーザー(248nm)の高いフォトンエネルギーにもかかわらず、約40mJ/cm_2の低いエネルギー密度では、C_<60>分子は全く分解せず、通常の真空蒸着よりもはるかに表面平坦性の優れた薄膜を作成する事が出来た。レーザーエネルギー密度を上げて行くとC_<60>分子の分解が始まり、分解カーボンマトリックス中にC_<60>分子が分散した薄膜が出来る。このようにC_<60>含有量を連続的に制御したカーボン膜は、高周波プラズマを用いるイオンプレーティング法によっても作成可能である事が判明し、C_<60>単体薄膜にはない新たな機能が期待されて興味深い。江口はフラーレン成分を効率的に抽出分離するについて、新しく設計した「嫌気下回収装置付き大型フラーレン生成装置」を用いて大量の煤を製造する際に、C_<60>,C_<70>の抽出分離を一挙に行う直接分離法「ス-トオンカラム法」を考案し、C_<60>の低コスト精製に成功した。また炭素クラスター分子の有機合成としては非平面縮合芳香族分子サ-キュレン、単式炭素環分子、シクロファン型先駆体からのC_<60>の一段合成などのテーマを追求して見るべき成果を挙げた。大澤はフラーレンの二次元多角形への展開図を系統的にコンピュータ描画するアルゴリズムを作った。これはいままで多くの人が試みたがうまくゆかず、16世紀のドイツの画家デューラーが用いた古い展開図法を改良することによって初めて成功した。

研究成果

(6件)

すべて その他

すべて 文献書誌

  • [文献書誌] E.Osawa: "(SiC)_<60>,An Idealized Inverse Superatomi" Fullerene Sci.Technol.3(印刷中). (1995)

  • [文献書誌] Y.Achiba: "Low Temperature Phase Transition in C_<70> and Solvation Effets" Fullerene Sci.Technol.2. 121-127 (1994)

  • [文献書誌] H.Koinuma: "Production of Fullerenes by Low Temperature Plasma Chemical Vapor Deposition under Atnospheric Pressure" Jpn.J.Appl.Phys.33. 197-199 (1994)

  • [文献書誌] H.Shinohara: "Spectroscopic Properties of Isolated Sc_3@C_<82> Metallofullerene" J.Phys.Chem.98. 8597-8599 (1994)

  • [文献書誌] S.Eguchi: "Radical Addition Reaction of Fullerenes by Thernal Decomposition of A_<30> Compounds" Fullerene Sci.Technol.3(印刷中). (1995)

  • [文献書誌] H.Suematsu: "Crystal Structure of Endohedral Metallofullerene La◎C_<82>" Mat.Res.Soc.Symp.Proc.349(印刷中). (1994)

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公開日: 1996-04-07   更新日: 2016-04-21  

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