研究概要 |
我々の研究グループは、金属内包フラーレン,金属内包ナノ粒子の生成,分離,構造,分光および物性を総括的に研究している。金属フラーレンおよび金属内包ナノ粒子の生成法と分離・精製法には不明確の点が多い。このため、本研究グループでは、これらの興味ある新規物質の高効率生成/分離法の開発を一つの大きなプロジェクトとしている。本重点領域研究の初年度(平成5年度)で、金属内包フラーレンについては生成,分離,単離法をほぼ確立することに成功した。また、金属内包ナノ粒子については、生成法および内包される金属のマップを作ることに成功した。 金属内包フレーレンは、2段階の高速液体クロマトグラフィー法(HPLC)で、分離・単離することに世界に先駆けて成功した。この点において、内外の研究グループの追随を許していない。また、本研究グループの本年度の大きな実績として、Sc_2@C_<84>などの金属内包フラーレンの構造を走査型トンネル顕微分光(STM)で研究し、ほぼ球型(D_2d異性体)の構造を推定できた。次年度、以後で、金属内包フラーレンの構造,物性および電子構造について、種々の実験方法を用いて明確にしたい。
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