研究課題/領域番号 |
05233108
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
篠原 久典 名古屋大学, 理学部, 教授 (50132725)
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研究分担者 |
百瀬 孝昌 京都大学, 理学部, 講師 (10200354)
加藤 立久 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (80175702)
神野 清勝 豊橋技術大学, 工学部, 教授 (60124731)
斉藤 弥八 三重大学, 工学部, 助教授 (90144203)
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キーワード | 金属内包フラーレン / 金属内包ナノ粒子 / 高速液体クロマトグラフィー / STM / 走査トンネル顕微鏡 / 分離・単離 |
研究概要 |
これまで、C60より大きなサイズの各種フラーレン(高次フラーレン)、あるいは金属原子を炭素ケージの中空部分に内包したフラーレン(金属内包フラーレン)、金属内包ナノ粒子の生成、分離・単離を成功させ、これらの新規フラーレン類の構造と物性研究において世界の学会を常にリ-ドしてきた。平成6年度では、特に以下の幾つかの重要な結果を得た。 (1)高次フラーレンの高収率生成法の開発:ボロンを炭素電極にドープすることによりC76-C110の高次フラーレンを通常より5倍程度に高収率に生成できることを発見した。 (2)III族原子(Sc,Y,La)を中心とする金属内包フラーレンの分離・単離をTwo-Stage HPLC法として確立した。この分離・単離方法はIII族以外の金属フラーレンにも適用される。 (3)Y@C82などの金属フラーレンは、Cu(111)清浄表面上でstep-edgeに沿って1次元的にオーダーすることが解った。これは、Y@C82間に、双極子-双極子相互作用の他に、スピン-スピンの強い相互作用があるためである。 (4)金属フラーレン(Y@C82)のX線構造解析に世界に先駆けて成功した。シンクロトロン放射光X線とMEM(Maximum Entropy Method)の組み合わせにより、Y@C82が"内包"フラーレンであることを初めて、直接的に示した。これは、金属フラーレン研究の大きなブレイクスルーである。
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