研究課題/領域番号 |
05233110
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
阿知波 洋次 東京都立大学, 理学部, 教授 (20002173)
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研究分担者 |
丸山 茂夫 東京大学, 工学部, 助教授 (90209700)
遠藤 守信 信州大学, 工学部, 教授 (10021015)
日野 照純 千葉大学, 工学部, 助教授 (10105827)
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キーワード | 高次フラーレン / 生成機構 / ナノチューブ / ナノコーン |
研究概要 |
高次フラーレンの生成機構を解明するため、^<13>Cの存在比を増した高次フラーレンを作成・HPLCにより分離精製し、得られた高次フラーレン(C_<76>、C_<84>)に対して2次元NMRの手法を適用し、フラーレンのネットワークのつながりに対する知見を得た(阿知波)。高次フラーレンの探索の一環として、高次フラーレンC_<78>及び金属フラーレンLaC_<82>のシンクロトロン放射光を用いた光電子分光を行った。C_<78>の光電子スペクトルはC_<76>によく似たスペクトルであった。LaC_<82>とC_<82>のスペクトル比較よりLa原子からC_<82>に3個の電子が移動していることを明らかにした(日野)。 フラーレンの量的生成方法はいわば偶然に発見されたものであり、その生成機構には依然として未知の部分が多い。本実験では、アーク放電法の実験装置を用いて、フラーレンの生成に対する緩衝ガスの種類・圧力・流れ、放電電流、炭素棒の種類・寸法などの影響に関する基礎データを得た。また、特に緩衝ガスのフラーレン生成に対する影響に着目して、熱電対によるチャンバー内の温度変化、HPLCを用いたチャンバー内の場所によるフラーレン収率の分布などの結果を得た。アーク放電法を用いた場合にフラーレンの収率が、チャンバー内に分布を持つこと、さらにこの分布が緩衝ガスの圧力や流れに強く依存することなどから、この分布が緩衝ガスの自然対流及び強制対流の様相と強く関連していることが示唆された。また、一部の高次フラーレンの生成率は、C_<60>やC_<70>よりもさらに敏感に生成条件の変化に応答することがわかった(丸山)。ナノチューブ先端とナノコーンの構造の相関性について示し、五員環と六員環の数と位置によってその構造が説明できた(遠藤)。
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