研究課題/領域番号 |
05234104
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古賀 憲司 東京大学, 薬学部, 教授 (10012600)
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研究分担者 |
中村 栄一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00134809)
富岡 清 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (50114575)
向山 光昭 東京理科大学, 理学部, 教授 (60016003)
冨士 薫 京都大学, 化学研究所, 教授 (20027056)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 不斉空間 / キラルリチウムアミド / 不斉脱プロトン化 / 不斉アルキル化 / 不斉プロトン化 / 不斉記憶 / 不斉付加 / 選択的グリコシル化 |
研究概要 |
「不斉空間の構築」は、不斉合成の要である。本研究班は、有効な不斉空間構築法と、それを活用した新しい不斉合成法の開拓、およびその触媒的不斉合成反応への展開を精力的に行い、以下の成果をあげた。 1)キレート構造ととらせることによって効率的に不斉空間を構築しうる多座配位子型キラルリチウムアミドあるいは多座配位子型キラルアミンを設計、合成し、不斉脱プロトン化、不斉アルキル化、不斉プロトン化等を実現し、それらの不斉触媒化にも成功した。2)光学活性α-アミノ酸誘導体を強塩基で処理して生成するエノラートがキラリティーを保持し、アルキル化反応において光学活性の生成物を与える例を見出し、「不斉記憶」という新しい概念を導入すると共に、その機構を明らかにした。3)糖質を有効な不斉空間として有機合成に利用するため、グリコシドを高収率、高立体選択的に得る手法を検討し、2-アミノ糖のαおよびβ選択的グリコシル化、αおよびβ選択的グリコシル化、アシル糖のβ選択的アジド化、遊離のアルコールを用いる2-アミノ糖のαおよびβ選択的グリコシル化、遊離の糖と遊離のアルコールを用いるαおよびβ選択的グリコシル化を見出した。4)キラルなジエーテル誘導体、アミドホスフィン誘導体を有効な不斉空間を構築する不斉配位子として設計、合成し、有機リチウム、有機銅等を反応剤とする触媒的不斉共役付加反応を実現した。5)不斉反応場の本質を実験および理論化学的手法を併用して明確にすることによって新形式の不斉合成反応を開拓することを試み、新しい有機銅化合物、アリル亜鉛錯体を開発し、塩化アリル化合物、シクロプロペン、イミン等の高立体選択的付加反応を初めて実現した。
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