研究課題/領域番号 |
05234105
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 尚 名古屋大学, 工学部, 教授 (10135311)
|
研究分担者 |
中井 武 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016717)
玉尾 皓平 京都大学, 化学研究所, 教授 (60026218)
鈴木 啓介 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (90162940)
塩入 孝之 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (20012627)
小国 信樹 山口大学, 理学部, 教授 (60028165)
|
キーワード | キラルアシロキシボラン / キラルルイス酸 / シッフ塩基チタン錯体 / キラル相間移動触媒 / アノマー安定化効果 / ケイ素系不斉触媒反応 / 触媒的立体制御 |
研究概要 |
酒石酸誘導体を配位子とするキラルアシロキシボラン(CAB)触媒を用いた不斉ディールス・アルダー反応の反応機構を明らかにした。新規キラルルイス酸の開発として、光学活性ビナフトール誘導体とTi(Oi-Pr)_4よりらせん構造を有するキラルルイス酸触媒を調製し、不斉ディールス・アルダー反応に対し高いエナンチオ選択性を実現した(山本)。光学活性β-アミノアルコールと3-t-ブチル-2-ヒドロキシベンズアルデビドから合成されたシッフ塩基の新規チタン化合物を触媒に用いるアルデビド類の高度な不斉シリルシアノ化反応の開発及びアルデビド類とジケテンとの新規な触媒的不斉付加反応の研究を行った(小国)。キラルな相間移動触媒として、シンコニン由来の4級アンモニウムフルオリドの簡便な調製法を検討し、これに成功した。そして調製したキラルアンモニウムフルオリドを触媒として、シリルエノールエーテルとベンズアルデヒドの不斉アルドール反応を検討し、好結果を得た。現在更に高能率なキラルアンモニウムフルオリドの合成を検討中である(塩入)。ギルボカルシンの全合成の鍵段階であるアリールC-グリコシル化反応を詳細に検討した結果、ルイス酸の配位が特定のアノマーを安定化するという効果が、その立体選択性の発現に重要な一要因として寄与していることが判明した。これは平衡系における立体制御の新たな可能性を示すものである(鈴木)。本年度は次の二つのテーマで研究を進めている。光学活性キレート型ルイス酸としてケイ素を含む化合物のデザインと合成法の探索および触媒的不斉分子内ヒドロシリル化のカルボニル化合物への展開。しかしまだ基礎データを集積している段階である(玉尾)。新しい光学活性ビナフトール-チタン錯体を創製し、それを用いてカルボニル-エン反応やアルドール不斉触媒化に成功するとともに、ランタニド錯体触媒による不斉アルドール反応のジアステレオ制御にも成功した(中井)。
|