研究概要 |
I.プロキラルイミンの不斉還元^<1、2)> 平成5年度は新規キラル配位子を有するキラルボラン還元試薬、1を開発した。即ち、cyclic imines2と4の1による不斉還元を検討した所、3と5が42%ee,23%eeで得られることが判った。一方N-Phenylazo-methines6は室温で、MgBr_2・OEt_2の存在下に反応させると7が高収率(70-90%)、立体選択性(〜73%)で得られた。^<3)> L-Tryptophanより合成した1、3、2-Oxazaborolidine8によるイミンの不斉還元を種々検討したが、満足すべき結果はえられなかった。 しかし、8はケトンを選択的に還元することが明らかになった。 II.プロキラルイミンの不斉アルキル化反応^<4)> 不斉アルキル化に先立って、2と有機金属試薬(RLi,RMgX,R_2CuLi等)の反応条件を検討した。又、イミンへの分子内不斉アルキル化反応の応用として不斉Pictet-Spengler反応の検討を行った。^<5)> 即ちイミン9をchloro(-)-diisopinocampheny1boraneと反応させると光学活性なspiroindoline10とその異性体がえられ、Pictet-Spengler反応におけるスピロインドレニン中間体の存在を示唆する新しい証拠が得られた。
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