式(1)に従って、各種高分子共重合法で、光学活性なポリマーを得た。仕込み組成や重合方法の差によって数種類のポリマーが得られて、それを用いて不斉アルドール反応を行った。またグルタミン酸をgamma位でスチレン系ポリマーに結合させた重合体も合成し反応を検討した。 式(2)の反応を基準反応として、触媒的不斉アルドールに対する合成高分子の効果を詳細に検討した。反応は得られたキラルポリマーへBH_3、THFを加え課題のポリマー固定化キラルルイス酸を系内で作成し、続いて低温で基質を加えてアルドール反応を行った。現在まだ反応の条件の検討中であり、モノマーの反応ほど高い選択性は達成されてはいないが、高分子を利用することで、反応処理さらに繰り返しリサイクルにすぐれていることが判明した。たとえばキラルモノマー/スチレン/DVB 1:8:1の懸濁重合によって得たポリマーを用いた触媒では64%eeというエナンチオ選択性を達成している。これらは新しい進展となっている。
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