研究課題/領域番号 |
05235106
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内本 喜一郎 京都大学, 工学部, 教授 (90025958)
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研究分担者 |
久枝 良雄 九州大学, 工学部, 助教授 (70150498)
徳田 昌生 北海道大学, 工学部, 助教授 (80001296)
北島 信正 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (20177843)
碇山 義人 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (10202847)
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キーワード | 電子移動 / 金属錯体 / 有機金属 / 電気化学 / 電解 |
研究概要 |
有機金属錯体の電子移動系を研究するための最も基本的な反応である「金属から有機化合物への電子移動の制御」に関して研究した。亜鉛からハロゲン化アルキルへの電子移動により有機亜鉛化合物(アルキル亜鉛)が生成するが、この反応が亜鉛中の微量の金属により大きく影響することが明らかとなり、エーテル中の反応では、1%以下の鉛の混入がこの電子移動を完全に抑制することが明らかとなった。またジョードメタンからメチレン二鉛化合物を調製する場合には、鉛が触媒として作用し、鉛が存在しない場合には、この活性種が生成しないことが明らかとなった。この鉛による電子移動制御作用は、電子移動系の解明のための重要な鍵であると考えられ、次年度に更に研究を続ける。また金属から有機化合物への電子移動を電気化学的に利用して新しい有機反応を開拓する研究は、亜鉛を用いて精力的に行い、新規昆虫フェロモン合成を行っている。この電子移動けいを用い、金属の特性を利用した反応では、ビタミンB_<12>を用いて新しい不斉合成反応を開拓した。 生体内における電子移動系の研究は、生理活性化合物の作用機構の解明と、新しい有用化合物の開拓に重要であり、抗ウイルス剤や制癌剤の作用機構に関して電気化学的に研究し、ブルー銅蛋白質の分子内電子移動についても新しい知見を得ている。
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