研究課題/領域番号 |
05235106
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内本 喜一朗 京都大学, 工学研究科, 教授 (90025958)
|
研究分担者 |
久枝 良雄 九州大学, 工学部, 教授 (79777251)
徳田 昌生 北海道大学, 工学部, 教授 (80001296)
藤澤 清史 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (10251670)
相澤 益男 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (00016742)
|
キーワード | 有機金属錯体 / 電子移動 / ジメタル活性種 / 異種金属相互作用 / アルキリデン化反応 / ポリフィリン錯体 / 分子認識 |
研究概要 |
1.電子移動系の解明と電子移動により生成する活性種の調製と利用 他種の金属が電子移動触媒として重要であることを認め、ジョードメタンへの亜鉛からの電子移動系における鉛の効果を明らかにし、次いで1,1-ジブロモアルカンへの二ヨウ化サマリウムからの電子移動におけるクロムの触媒作用を解明した。いずれもジメタル種が調製され、この活性種は、有機合成に活用出来る。また一方、金属の純度や形状が電子移動に及ぼす影響も解明されつつある。 2.電子移動を利用した多点立体制御反応 有機化合物の電子移動を制御すれば、まずラジカル種を生成させて反応に利用し、次いで生成したラジカル種への電子移動を利用して有機金属活性種を調製すれば、求電子剤と反応する。このような連鎖型有機反応は高効率有機合成法として重要である。gem-ジブロモ基からα-ブロモアルキルラジカルを発生させ、分子内付加反応の後に更に電子移動により有機金属活性種を調製してアルデヒドと反応させた結果、反応は高立体選択的に進行することが明らかとなった。 3.錯体電子移動系の構築と利用 ポリフィリンならびにポルフィセン錯体からの電子移動系の解明が進められ、得られた知見に基づいて新しい錯体電子移動系を構築し、有機合成への利用が可能になった。 4.錯体電子移動と生体系 金属錯体と生体材料間の特異な電子移動の基礎的研究では、ルテニウム錯体とDNA、インジウム錯体と抗体などとの電子移動系が取り上げられ、この成果は電気化学発光現象を利用した生物活性評価法としてDNAや抗体の分子認識機能評価に適用されて成果を挙げている。
|