研究分担者 |
山本 陽介 広島大学, 理学部, 助教授 (50158317)
右田 俊彦 東海大学, 開発工学部, 教授 (40008412)
細見 彰 筑波大学, 化学系, 教授 (00004440)
馬場 章夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (20144438)
野依 良治 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022554)
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研究概要 |
典型金属は、1,2,12-16族にわたる広範囲の族に分布しており、その電子的構造の特性を活用することにより、多用の特異な構造や反応性をもつ有機金属分子の創製が期待できる。この中で、本研究では、原子上電荷、配位数などにより種々の興味ある化合物の存在しうる12、14-16族有機典型金属をとりあげ、重点的に研究した。 1)ケトンの有機金属類似体であるR_2M=X(M=Si,Ge,Sn; X=S,Se,Te)のうちで、R_2Ge=X(X=Se,Te)をかさ高い置換基による速度論的安定化により合成し、その反応性および構造を検討した(岡崎)。 2)(-)-(2S)-3-exo-(ジメチルアミノ)イソボルネオール((S)-DAIB)を触媒とするジアルキル亜鉛によるアルデヒド類の不斉アルキル化反応の機構をDAIB-亜鉛錯体二量体の解離の解離定数、熱測定および速度論により解明した(野依)。 3)有機典型金属の触媒としての利用を目ざし、スズ-ヘテロ原子結合の活性化による新規合成法を開発した(馬場)。 4)アリルアニオン、ヒドリドイオン、ビニルアニオンなどの高反応性化学種の等価体としての高配位ケイ素、スズ化合物を設計・合成した(細見)。 5)有機14族金属の炭素供与基としての性質を検討するため、含窒素ビシクロ系ゲルマニウム試剤を合成しPd触媒は胃を用いて有機ハロゲン化合物とのカップリングを行った(右田)。 6)ヘキサクミルアルコールリガンドを有する6配位ビスマス化合物をアミンによる分子内配位を活用して合成し、X線構造解析、NMRによる動的過程の追跡、反応速度測定により、その反応特性を明らかにした(山本)。
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