研究分担者 |
山本 陽介 広島大学, 理学部, 助教授 (50158317)
右田 俊彦 東海大学, 開発工学部, 教授 (40008412)
細見 彰 筑波大学, 化学系, 教授 (00004440)
馬場 章夫 大阪大学, 工学部, 教授 (20144438)
野依 良治 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50022554)
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研究概要 |
本研究では12-15族の典型金属について下記の研究を行った。(1)かさ高い置換基2,4,6-トリス[ビス(トリメチルシリル)メチル]フェニル基(Tbt基)の速度論的安定化を利用し、ゲルマニウムとテルル間に二重結合を有する化合物ゲルマンテロン)を合成し、その構造をX線結晶構解析により決定し、反応性について研究した(岡崎)。(2)光学活性アミノアルコール、(-)-(2s)-3-exo-(ジメチルアミノ)イソボルネオールを用いる誘起亜鉛試剤によるアルデヒド類の不斉アルキル化の機構を二量体の熱力学的安定性、解離定数、非線形効果の検討により解明した(野依)。(3)新しい型のスズヒドリドBu_2SnXH(X=F,Cl,Br,I)を開発し、ハロゲンの違いや錯体化などにより還元能力や選択性に大きな変化が現れること、またそれを使い分けてハロケトン、イミン、共役ケトン等が選択的に還元できることを見出した(馬場)。(4)3-メトキシ-4-トリメチルシリルメチル-1,2-ブタジエンのようなアレニルメチルシランを合成し、その反応性を研究した。このアルニルシランは、受容体によりアリルシラン型反応、または[2+2]付加還化反応の2つの異なる反応を起こすことが明らかとなった(細見)。(5)パラジウム触媒存在下、有機スズ化合物と芳香族ハロゲン化物、ノルボルナジエンを反応させると、三成分系カップリング反応が収率よく進行し、ノルボルネン誘導体を与えた。この反応を天然物5,12-DiHETEの合成に応用した(右田)。(6)ヘキサクミルアルコールリガンド2つを有する5配位アンチモン化合物を対応する4配位アニオンとハロゲン化アルキルから合成し、その構造をX線結晶解析により明らかにした。また、この5配位化合物の擬似回転がフッ化物イオンのような求核試剤の存在により加速されることが見出された(山本)。
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