研究課題/領域番号 |
05237105
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
志田 忠正 京都大学, 理学部, 教授 (60025484)
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研究分担者 |
野坂 芳雄 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30134969)
並木 章 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (40126941)
鈴木 俊法 分子化学研究所, 電子構造系, 助教授 (10192618)
城丸 春夫 東京都立大学, 理学部, 助教授 (70196632)
百瀬 孝昌 京都大学, 理学部, 講師 (10200354)
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キーワード | 凝縮系 / フリーラジカル / 高分解能分光 / 光解離 / 状態選別反応 / イオンクラスター / 界面 / 表面 |
研究概要 |
本年度は昨年度に引き続きテスト用のゲスト分子としてのメタンの振動・回転分光測定を行いその分解能の向上を図った。その結果、メタンの縮重伸縮(V_3)、縮重変角(V_4)について高い分解能の吸収スペクトルを得ることができた。そしてV_3、V_4のいずれについてもJ=0のメターメタンのR枝の他にJ=1のオルト-メタンのP,QR枝が観測できた。これらの吸収線は興味ある微細構造と特異的な線幅をもつことが分かり、目下、その解析を進めている。並行してプロトタイプ的なフリーラジカルとしてのメチルラジカルの振動分光の測定に着手した。このラジカルは4.8Kの固体水素中では安定であるが8Kに昇温すると完全に消失し、新しい吸収線を与えることが分かった(志田、百瀬)。 炭素クラスターの負イオンを固体表面に入射させた時の電子移動を伴う相互作用を研究し、その結果から炭素クラスターの形状などの情報を得ようとしている(城丸)。 レーザーイオン化画像観測法を用いてトランス-ジクロロエチレンなどの塩素を含むオレフィン類の193nm、210nm、235nmでの光解離過程を実験的に明らかにした。即ち、生成する塩素原子のスピン軌道状態を規定した上で角度分解並進エネルギーの測定を行い、光で励起された状態(π,π^*)に近接して解離に結び付いている状態(π,ο^*)のポテンシャル曲面や競合する解離過程に関する情報を得ることができた(鈴木)。 固体表面をアルカリ金属膜で修飾したときの電子移動効率を入射分子の運動エネルギーの関数として測定し、その結果から固体と入射塩素分子間の電子的相互作用の本質を明かにしようとしている(並木)。 ESRによる実験を発展させて電子スピンエコースペクトルを測定し、表面上に生成する複数種のラジカルの検出とその緩和時間の測定などをおこなった(野坂)。
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